需給動向 国内 |
上半期のM玉卸売価格は前年同期比3.0%高平成25年度上半期(4〜9月)における鶏卵の平均卸売価格(東京M玉)は、キログラム当たり172円(前年同期比3.0%高)と前年を上回った(図12)。4〜6月は前年を下回る水準が続いたものの、7月末以降は価格の上昇が続いた。価格が前年を上回って推移したのは、「成鶏更新・空舎延長事業」の発動(5月13日から7月19日)により、成鶏が淘汰されたことに加え、今年の記録的な猛暑の影響によって卵重が低下し、M玉の供給量が減少したことが要因とみられる。また、上半期の平均成鶏用配合飼料価格は、トン当たり8万2148円(同13.6%高)と前年をかなり大きく上回ったことを背景に、養鶏農家では飼養羽数の削減や廃業があったとみられ、このことも供給量の減少に影響したとみられる(農林水産省「農業物価指数」)。なお、10月の平均卸売価格は、キログラム当たり220円(前年同月比14.0%高)と、前年を27円上回る高水準となった。
上半期の採卵用めすひなえ付け羽数は、わずかに減少上半期の平均採卵用めすひなえ付け羽数(1カ月当たり)は、761万2000羽(前年同期比0.4%減)と、わずかに前年を下回った(一般社団法人日本種鶏孵卵協会「鶏ひなふ化羽数データ収集調査」)。一般に採卵鶏は、ふ化後約半年を経過してから供用されるため、上半期の飼養羽数の減少を踏まえると、需要期となる下半期の供給量も大きく増加することは考えにくい。また、需要面では、上半期の平均家計消費量(1カ月当たり)が1人当たり811グラム(同2.3%減)と、前年をわずかに下回った(総務省「家計調査報告」)。今後も小売価格が前年を上回る水準で推移した場合、消費動向にどの程度影響するか注目される。 (畜産需給部 岡田 岬)
|
元のページに戻る