需給動向 海外

◆世 界◆

トウモロコシ価格下落により、主要生産国以外でも需要が増加


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が11月12日に公表した「Grain :World Market and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量(2013/14年度)は、前年度比11.6パーセント増の9億6283万トンを見込んでいる(表11)。生産国別の状況を見ると、主に米国で単収増により生産見通しが上方修正されたことに加え、ロシア、インドおよび欧州も前年を上回る増産見通しとなった。

 同年度の世界の輸入量は、主に中国で増加が見込まれ、その他欧州および中東などで増加するものとみられており、同9.5パーセント増の1億923万トンとしている。しかし、中国では加工需要向けが落ち込むとみられており、USDAの予測値を下回る可能性もある。

 一方、同輸出量は、主要輸出国である米国やウクライナに加え、欧州およびロシアでも前年を上回るとみている。また、同消費量は、主要生産国の増産による価格の下落により、メキシコ、東欧および中東などで需要の増加が見込まれており、同8.5パーセント増の9億3336万トンとしている。

 なお、同期末在庫は、米国が上方修正されたことに加え、ウクライナでも大幅な増加が見込まれることから、同21.8パーセント増の1億6433万トンとしている。

表11 主要国におけるトウモロコシの需給見通し(2013年11月8日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Grain : World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月

大豆は世界的な増産により需要は増加見通し

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が11月8日公表した「Oilseed :World Market and Trade」によると、世界の大豆生産量(2013/14年度)は、インド、カナダおよび東欧などで生産見通しが下方修正されたものの、主に米国の生産見通しが上方修正されたことから、前年度比5.8パーセント増の2億8354万トンと予測している(表12)。なお、ブラジルでは、大豆価格が好調であることから、第1期作でトウモロコシから大豆へ転作が進むものとみられている。また、インドが減産見込みとなった要因は、大豆生育期の多雨による単収の低下が見込まれたためである。

 同年度の世界の輸入量については、中国、メキシコおよび東南アジアでも増加が予測されることで、同9.4パーセント増の1億440万トンとしている。なお、中国の輸入量は世界の大豆輸入量の約66パーセントを占めており、輸入量は年々増加傾向にある。

 一方、同輸出量は、主要輸出国で前年実績を上回るとみており、同7.9パーセント増の1億783万トンとしている。また、同消費量は、中国やアルゼンチンでの増加に加え、パラグアイ(同10.0%増)やメキシコ(同4.1%増)での増加が見込まれており、同4.5パーセント増の2億3957万トンとしている。

 なお、同期末在庫は、主要生産国全てで、前年をかなり大きく上回ると見込まれることから、同16.8パーセント増の7023万トンとしている。
表12 主要国における大豆の需給見通し(2013年11月8日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Oilseeds : World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 米国、ウクライナ:9月〜翌8月/世界、中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月

                                      (調査情報部 山神 尭基)


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