需給動向 海外 |
乳価、過去5年で最高値に
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生乳出荷量が回復、乳価は高水準オランダ農業園芸組織連合会(LTO)によると、EU域内主要乳業メーカー17社の9月の平均生乳価格は、100キログラム当たり39.65ユーロ(5,432円:1ユーロ=137円)となり、前年同月比19.1パーセント高となった(図18)。EUでは、上半期の生乳生産量の減少に加え、最需要期であるクリスマスシーズンに向け需要が高まっており、生乳価格が堅調に推移している。
バター生産量は回復基調、価格も堅調生乳生産の回復により、乳製品生産も増加している。バターの7月の生産量は、EU全体で前年同月比3.0パーセント増の16万2000トン、1月から7月までの累計では、前年同期比2.8パーセント減の117万3300トンとなった(表5)。加盟国別に生産量をみると、生乳生産が減少してもバター生産は減少しなかったデンマークおよび英国での生産量が大幅に増加しており、各々41.4パーセント増、18.6パーセント増となった。その他の加盟国でも、一部を除き前年同月を上回った。バター生産は回復基調であるものの需給は依然としてひっ迫した状況にあり、9月のバター価格は、前年同月比32パーセント高の100キログラムあたり421ユーロ(5万7677円)と、高水準で推移した2011年をさらに上回って推移している(図20)。EUではクリスマスシーズンに向けてバター需要は増加するため、価格は、年内は高水準で推移する見込みである。
酪農家戸数減少、大規模化進展2012/13年度(4月〜翌3月)のEUの酪農家戸数は、前年対比5.5パーセント減のおよそ63万2000戸となった(図21)。減少率をみると、旧加盟国のEU15が同3.9パーセント減に対し、2007年に加盟したEU2のブルガリアおよびルーマニアでは同11パーセント減とかなり大きく減少した。
また、EUの平均は、同23万5591キログラムであり、大規模化が進んでいるが未だ小規模経営が多く、今後も戸数減少と大規模化は進むと思われる。
(調査情報部 矢野 麻未子) |
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