需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

平成25年度上半期の生乳生産量はわずかに減少


 9月の生乳生産量は59万3120トン(前年同月比1.8%減)と、5カ月連続で前年同月を下回った(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。この結果、平成25年度上半期(4〜9月)の生乳生産量は379万2333トン(前年同期比1.3%減)と、わずかに減少した(図9)。
図9 全国の生乳生産量の推移と予測値
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」
  注:点線は、平成25年10月25日に公表されたJミルクの予測値

北海道は0.8%減、都府県は1.7%減

 上半期の生乳生産量を地域別にみると、北海道は196万9063トン(同0.8%減)、都府県は182万3270トン(同1.7%減)となった。これを月別にみると、北海道は、4〜6月は各月とも前年同月を上回って推移していたが、7〜9月は、道内北東部の悪天候による飼料作物の生育状況悪化や、記録的な猛暑、それに伴う乳牛の乳房炎発生頭数が増加した影響により減少に転じたことから、特に8月は前年同月比3.7パーセント減と減少幅が大きくなった。一方、都府県においては、4〜7月の各月は同1〜2パーセントの減少率で推移したが、8月は北海道と同様に減少幅が大きく、同3.3パーセント減となった。

 なお、過去10年間の北海道と都府県の生乳生産量のシェアの推移を見ると、平成15年度は46:54で都府県が過半を占めていたが、22年度に北海道が逆転し、25年度上半期は52:48となったことから、今後も北海道のシェアが拡大すると見込まれる(図10)。
図10 北海道と都府県の生乳生産量とシェアの推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」

クリーム等向けの処理量は減少に転じる

 上半期の用途別生乳処理量は、長期的に減少傾向が続いている牛乳等向けが204万8949トン(前年同期比1.1%減)、乳製品向けが171万4999トン(同1.4%減)となった。乳製品向けの内訳をみると、特定乳製品向けが81万2007トン(同2.6%減)、これまで比較的高い伸びを示してきたクリーム等向けも64万1729トン(同0.2%減)と減少に転じたが、チーズ向けは25万539トン(同2.1%増)とわずかに増加した。

 なお、過去10年間の生乳処理量の用途別シェアの推移を見ると、飲用牛乳の需要減少と、チーズや生クリームの需要増加により、平成15年度には60:40であった牛乳等向けと乳製品向け処理量の割合は、24年度には52:48となった(図11)。

図11 生乳処理量の用途別シェアの推移
資料:一般社団法人中央酪農会議「用途別販売実績」」

 ただし、25年度上半期については、クリーム等向けが前年同期より減少し、猛暑による生乳生産量減少の影響を最も大きく受けた特定乳製品向けも減少した結果、牛乳等向けと乳製品向け処理量の割合は54:46となった。

第3四半期の生乳生産量は、第2四半期に続いて減少の見通し

 一般社団法人Jミルクが10月25日に公表した「平成25年度第3四半期までの生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと今後の課題について」によれば、第3四半期(10〜12月)の生乳生産量は182万2000トン(前年同期比2.3%減)と、第2四半期に引き続き前年同期を下回って推移すると予測している(図9)。ただし、北海道では関係者を挙げて適正な飼養管理の徹底など、減産への歯止めに向けた働きかけも行われていることから、予測を上回る可能性もあるとしている。

                                      (畜産需給部 岡 久季)


元のページに戻る