需給動向 海外 |
飼料コストの低下などで生乳生産量は前年を上回って推移 |
生乳生産量は6カ月連続で前年同月を上回る米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が11月1日に公表した「Milk Production」によると、2013年9月の生乳生産量は、前年同月比1.0パーセント増の718万4000トンとなり、6カ月連続で前年同月を上回った(図17)。関係者によると、この増産の要因として、需要拡大に伴い乳価が好調なことと、飼料コストの低下が挙げられている。
西部の州の増加により、脱脂粉乳などの生産が増加の見込み6月の生乳生産量を州別に見ると、全米の生乳生産量第1位のカリフォルニア州は、前年同月比0.4パーセント増の145万トンと、2か月連続で前年同月を上回っている。同州を含め、アリゾナ州、ワシントン州でも生乳の生産量がそれぞれ同2.2パーセント増、同1.6パーセント増と西部の州での生産量が増加している。これにより関係者は、脱脂粉乳(NDM/SMP)やバターの生産が増加するとみている。西部の州での2012年の脱脂粉乳生産量は米国全体の約75パーセント、バターは約50パーセントの生産量となっていた。なお、全米第2位の生乳生産州であるウィスコンシン州は、同1.0パーセント増の100万7000トンであった。 飼養頭数、1頭当たり乳量も前年を上回って推移また、USDA/NASSは、2013年2月以来公表していなかった経産牛の飼養頭数と、1頭当たり乳量を本年7月分から公表している。これによると、2013年9月の経産牛の飼養頭数は、前年同月比0.1パーセント増の920万7000頭であった。これは、国内外の乳製品需要などを背景とした乳価水準の高まりから生産者の増頭意欲が高まっているものとみられており、7月以降、わずかではあるが前年を上回って推移している。 また、1頭当たり乳量を見ると、同0.8パーセント増の780キログラムと、こちらも7月以降前年を上回って推移している(表4)。
(調査情報部 山ア 良人) |
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