需給動向 海外

◆米 国◆

豚飼養頭数、繁殖豚、肥育豚ともに前年を上回る


豚総飼養頭数、前年同月比0.3パーセント増

 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が9月27日に公表した「Quarterly Hogs and Pigs」によると、2013年9月1日現在の豚総飼養頭数は、前年同月比0.3パーセント増の6836万頭となった(表2)。内訳を見ると、繁殖豚頭数は前年同月比0.4パーセント増の581万4000頭、肥育豚頭数は同0.3パーセント増の6254万6000頭となり、6月期には10四半期ぶりに全体の飼養頭数が前年を下回ったが、今回は前年を上回った。
表2 豚飼養頭数の内訳(9月1日現在)
資料:USDA/NASS

育成期の飼養頭数が増加で、PEDVの影響は最小限か

 肥育豚頭数の内訳を見ると、180ポンド(約81.2キログラム)以上を除き、前年同月を上回っている。50ポンド(約22.7キログラム)以下の頭数は、前年同月比0.9パーセント増の2008万5000頭、50〜119ポンド(約22.7〜54.0キログラム)の頭数は、同1.1パーセント増の1808万7000頭、120〜179ポンド(約54.4〜81.2キログラム)の頭数は、同1.5パーセント増の1328万4000頭となった。50〜179ポンドの豚は、10月中旬〜2014年1月中旬頃が出荷となる見込みなので、その頃の生産量の増加が見込まれる。また、本年4月の豚流行性下痢ウイルス(PEDV)の発生で、今回育成期にある飼養頭数の減少が懸念されていたが、今回のデータを見る限り、最初に発生が確認されたアイオワ州では、影響は最小限に抑えられたとみられる。ただし、関係者は、11月以降の冬期において、ノースカロライナ州など主要生産州でPEDVが発生すれば、影響があることを懸念している。

繁殖豚頭数、見込みを下回る

 繁殖豚頭数については、前年同期をわずかに上回る程度で推移してきたが、肥育豚のと畜頭数が減少していたこと、カナダからの雌豚の輸入が増加していたこと、飼料コストの低下が見込まれることなどの理由から、関係者は、前年同期と比べ、1.5パーセント程度の増加が見込まれると予測していた。繁殖豚頭数は、2011年以降、増加傾向で推移しており、飼料コストの低下により、今後も頭数は増加傾向で推移すると見込まれる(図8)。
図8 繁殖豚飼養頭数の推移
資料:USDA/NASS
  注:各月1日時点の飼養頭数
                                      (調査情報部 山ア 良人)

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