海外情報(寄稿) 


 畜産の情報 2013年12月号

豪州の牛トレーサビリティ制度
〜大規模経営を支えるシンプルかつ電子化された仕組み〜

独立行政法人家畜改良センター 個体識別部 元村 聡、宮澤 彰、盛山 昌二郎

【要約】

 豪州の牛トレーサビリティ制度であるNLIS(National Livestock Identification System)は、生きた牛の履歴を追跡することに特化した、シンプルかつ畜産農家にとって負担の少ない仕組みである。

 牛は電子耳標等により識別され、畜産農家、家畜市場、と畜場等はソフトウエアにより牛のデータベースを構築し、牛の管理等に活用すると共に、当該ソフトウエアを介してNLISデータベースへの届出、他機関とのデータ交換等を行っている。また、ファックスによる届出を有料化し、ほぼ100パーセントの届出電子化を実現している。

 枝肉情報を集約し、ウェブ上で提供するLivestock Data Linkというシステムを導入し、NLISのアカウントから生産者が利用できるようにすることが検討されており、一部試験運用されている。

はじめに

 本年7月、著者らはMLA(Meat and Livestock Australia = 豪州食肉家畜生産者事業団)の協力を得て豪州の牛トレーサビリティ制度について調査し、最新の知見を得ることができた。豪州の制度が目指す方向は、今後のわが国の牛トレーサビリティ制度運営にとっても参考となる部分が多いことから、その概要を報告する。

1.豪州の牛トレーサビリティ制度

(1)制度導入の経緯と各機関の役割

 豪州では1970年代に、牛のブルセラ病および結核病を撲滅するための手段として、農場ごとにPIC(Property Identification Code = 農場識別番号)を割り当て、牛を移動する際は、PICを記したテイルタグ(尾標)を装着する仕組みが導入された。

 その後、EU向けの牛肉について、成長ホルモン不使用と生涯履歴証明に対応できるシステムへの要請が高まる中、1999年にヴィクトリア州(以下「VIC州」と記す。)において、コンピュータ化したデータベースを伴うNLIS(National Livestock Identification System=全国家畜識別制度)が任意制度として導入された。

 NLISはバイオセキュリティー(疾病対策)と国際市場へのアクセス確保を目的として、当初MLAのプロジェクトとして開始されたが、その後各州に広まり、2006年には全ての州で義務化されるに至った。

 各州政府は州法に基づきNLISに法的根拠を与えている。

 MLAは、SAFEMEAT(連邦政府、州政府、各種業界団体の代表から構成され、牛肉、羊肉といったレッドミートの安全性について討議する組織)の下で、NLIS諮問委員会、NLIS基準委員会および利用者からの意見を受けながらNLISシステムを運用している。なお、MLAは、2009年にNLISに関する実務を行う専門の子会社としてNLIS Ltd.を立ち上げ、現在はこの会社が、NLISデータベースの運営を行っている(図1)。
図1 NLISの統治機構(MLA作成の資料から翻訳)

 NLIS Ltd.の運営経費の大部分は、連邦政府が徴収する牛の売買・と畜の際の取引税を原資としている。なお、この税の管理はMLAが行っている。また、各種業界基金の果実からの資金も一部受けている。NLIS Ltd.運営のための年間予算は、約500万豪ドルである。

(2)制度の概要

 豪州の制度をわが国のそれと比較して整理すれば表1のようになる。

表1 豪州のトレーサビリティ制度の概要

 移動の際は、以下の4点の情報のみをデータベースに入力する。

 @.個体識別番号

 A.転出側のPIC

 B.転入側のPIC

 C.移動の年月日

 耳標が脱落して元の識別番号が判らなくなった、互いに矛盾する届出がなされた、義務化以前に生まれた牛である等の理由で、出生農場からと畜加工場までの移動履歴をたどれない牛は、その旨がデータベース上に記録される。

 互いに矛盾する届出がなされた場合(例えば、A農場からB農場への移動の届出の後に、A農場からC農場への移動の届出がなされる等)は、エラーサインが出て、生涯履歴が完全でない牛という扱いとされる。この場合、NLIS Ltd.は事実関係を確認・修正し、エラーを解消するということはしないが、届出者が誤りに気づいて届出内容を修正すればエラーが解消され、生涯履歴が完全な牛に戻る。

 以上のようにシンプルな仕組みとしたのは、(1)NLISでは牛の移動の履歴を追えるようにさえすればよく、それ以外の情報については、必要と考える農家や企業が自ら記録すべき、(2)単純化して農家の余計な負担を減らすと共に、責任の持てないデータが蓄積されないようにすべき、という考え方に基づいている。

 データベースには、牛や牧場のステータスについて100項目程度のフラグを立てられるようにしてある。例えば、牧場について有機塩素系農薬の残留があるという項目にフラグを立てておき、その牧場で飼養されたことのある牛にその旨のフラグを立てることで、と畜段階で詳しく検査することができる。

(3)届出の仕組み

 届出(NLISデータベースへの記録)の方法としては、(1)ソフトウエア会社が提供するソフトウエアを用いる方法(図2)、(2)ウエブアプリケーションを用いてインターネットの画面から入力する方法(わが国のウェブ報告と類似)、(3)エクセルのテンプレートに入力してファイルをアップロードする方法、(4)ファックスによる方法がある。このうち(1)のシェアがもっとも高い。

 農家、家畜市場、と畜場等は、事業所ごとにソフトウエア会社が作成したソフトを用いて、電子耳標から読み込んだデータを基に自らのデータベースを構築し、牛の管理等に活用しているが、(1)は、そのデータベースに入力したデータが当該ソフトを通じてNLISに届け出られるものである。NLIS Ltd.としては、ソフトウエア会社がこのようなソフト開発を行えるようデータベースのスペック(CBS)を公開しており 、複数のソフトウエア会社が、おのおの独自にソフトウエアを開発している。
図2 ソフトウエア会社の提供するソフトウエアを用いた届出の仕組み

 届出が全体で約250万件/月あるうちで、(4)のファックスによる届出は143件/月のみであり、ほぼ100パーセントの届出の電子化を実現している。これは、2008年に、「ファックス等による届出はコストが掛かりすぎるので電子化を進める」という方針が決定され、ファックスによる届出を有料化したことによる。具体的には、ファックスによる届出用紙(1枚当たり20件の届出が可能)を10豪ドル/枚で販売している。用紙には番号(serial number)を印刷し、届出のあった用紙が既に使用されたものであるか否かを確認できるようにすることで、同じ用紙をコピーして別の届出に使用することができないようにしている。用紙は電話で注文を受け、クレジットカード番号を聴き取って、口座から代金が引き落とされたことを確認した後に使えるようにする。また、電話を受けた際には代行報告を含め、極力電子的な届出をしてもらいたい、というお願いをしている。(図3)

図3 ファックスを用いた届出の方法

 農家がエージェント(家畜商)や他の農家等に代行報告を依頼する場合は、農家はエージェント等を代行報告者として承認(Authorize)しなければならず、それには書類(Authorization Form E)をNLIS Ltd.に提出する必要がある。これにより、代行報告者は自分のユーザーIDとパスワードを使って自分のアカウントにログインした状態で、農家から代行報告を依頼された農場に関してのみ代行報告を行えるようになる。なお、データベースに記録を行う際、処理番号ごとに報告を行った者のユーザーIDが記録され、誰が報告したのか後から確認できる。

(4)耳標について

 畜産農家は、牧場内で生まれた牛を出荷するまでに、白色の耳標を付けると共に、他から受け入れた牛に耳標が付いていなかった場合や飼養管理中に耳標が落下した場合には、オレンジ色の耳標を付けることが義務づけられている。

 耳標は、低周波のHDX(半二重通信)のRFID(耳標内の電子チップ)を採用している。最初はUHFやFDX(全二重通信)を含めていろいろ試したが、以下の理由からHDXに統一した。

 @.複数の手法が混在することで混乱が生じる。

 A.FDXは読取り能力に問題がある。

 B.UHFは耳標側のアンテナが大きくなければならず、耳標が取れやすくなることに加
    え、離れたところや障害物があると読み取れないなど現場環境下で使用するには
   問題がある。

 農家は、右耳にNLIS耳標を付けることが義務付けられており、反対の耳に管理用の通常耳標を付けることが多い。

 NLIS耳標は、基本的に農家が個別に購入するので、人によって購入価格が違う。大きな経営では入札をするところもある。零細なところは、州の農業者組織(Farming Organization)を通じて買うと安くなる。

 耳標内のRFIDには、ISO11784のルールに沿った15桁の固有の番号が記されている。耳標の外側にはPIC(8桁)、製造業者コード(1桁)、耳標タイプのコード(1桁)、製造年(1桁)および経営内の各牛に固有の番号(5桁)の計16桁の番号および英字が記載されている(図4)。製造業者は耳標の出荷時に、RFIDの番号と外側の記号を紐付けしてNLISデータベースに記録する。なお、製造後、年数が経った耳標を用いても構わない。

図4 豪州での耳標への付番の方法(MLA作成資料から転載)

 豪州の方式は、カナダなどで採用されている方式(RFIDに記録されている番号そのものを個体識別番号として用い、農場のコードとRFIDの番号を紐づけするために、耳標を販売する代理店が誰にどの番号の耳標を販売したかをデータベースにアップロードする)に比べ、ミスの発生が少なく、代理店が不要な在庫を抱える必要もない、というメリットがある。

(5)耳標の審査について

 耳標の認可(accreditation)の条件は、(1)業者がISO9001認証を得ていること、(2)典型的な牧場(最低限、北部および南部の肉牛牧場並びに酪農の牧場の計3カ所)で、3年間の装着時に脱落率が3パーセント以下であること、(3)7年間は印刷の読取りができること、(4)0.75メートル離れた距離から印字の読取りができること、(5)RFIDの可読率が全体の99.5パーセント以上であることなどである 。ただし、6カ月間の脱落率が0.5パーセント以下の場合、仮の認可(conditional accreditation)を受けて耳標を供給できるようになる。なお、評価はRFIDを含めたRFID耳標全体を対象に行う。

 最近、NLISの審査は、ICAR(International Committee for Animal Recording)の性能試験や適合性試験を行ってからでなければ受けられないこととなった。しかしながら、これまでに認可されたNLIS耳標については、改めてICARの認可を受けることまでは求めていない。

 重量の規定はなく、サイズについても現在は規定がないが、今後、一定のサイズ以下でなければならないといった要件を、スペックに追加する(Visual兼用の耳標は脱落しやすいため認可しないこととする)予定である。

 認可の有効期間については定めていない。仮に生産現場で問題が発生し、苦情(フィードバック)があれば業者が対応する。なお、仕様が変更となれば報告しなければならず、変更の内容によっては改めて審査を行うこととしている。

 認可された耳標にはNLISのロゴを印字することとなっている。

 耳標の認可については、法律上は州の大臣が行うこととなっているが、NLIS Ltd.が認可したものを州政府が却下することはない。認可されている耳標は全ての州で同じである。

 現在、5社のメーカーの耳標が認可を受けており、そのうち2社は仮の認可である 。また、新たに1社(Enduro tags社)が、認可に向けた試験を行っているとのことである。なお、現在使用されているRFIDのメーカーは2社となっている。

 今後、実用段階での大規模なデータを用いて、牧場側のどのような要因(樹木が多いなど)が脱落率に影響するのか、ノーマルな状況下で落ちない耳標はどれであるのか、などを統計的に分析するといったDesk top analysisを実施することを検討中である。

(6)データベースについて

 NLISのデータベースはクラウドとして外部に置いている。クラウド導入のメリットとしては、ハードウエアやその管理に金と労力を掛ける必要がなくなり、余力でソフトウエア開発に専念できるようになった。デメリットとしては、他から完全に隔離されているわけではないので、周囲のパフォーマンスに影響を受けることである。

 制度発足以来、と畜したり死亡した牛を含め、全てのデータがデータベースに置いてあり、その量は12億ラインに達している。

 システムはクラスタ構成とすると共に、大規模災害に備えて地理的に離れた所にバックアップを置いて、サービスの停止を防いでいる。

 以上の体制により、月当たり5分以上のシステム停止を起こさないことを目標に運営しており、目標を達成できている。

 また、州政府は本制度の重要なメンバーであることから、NLIS台帳のコピーを州政府にも提供している。研究機関に対しては、有料(実費相当)でデータを提供している。

(7)Livestock Data Linkについて

 現在のNLISには、と畜加工場で枝肉重量を入力できる機能があり、入力を義務化している州もある。

 MLAでは今後、Livestock Data Linkと呼ばれる枝肉情報を集約し、ウェブ上で提供するシステムを導入することを検討しており、現在、一部のと畜加工業者が参加して、試験運用がなされている 。

 本システムでは、と畜加工場で得られる枝肉情報を生産者にフィードバックし、問題点を示すだけでなく、生産者がどのようにすれば自分の出荷する牛をと畜加工場が求める規格に合致するよう改善できるか、という情報についても提供することを予定している。

 また、生産者は本システムを、NLISのアカウントにログインして利用できる。

2.現地調査

 今回の調査では、MLA本社での情報交換に加え、VIC州およびクイーンズランド州(以下「QLD州」と記す。)の肉牛生産農場、耳標メーカー、家畜市場、ソフトウエア開発会社およびと畜場・パッカーを訪問し調査を行った。本報告書では、これらの訪問先で聴き取ったことのうち、特徴的な部分についてのみ触れておく。

(1)Leader Products社(VIC州)およびAllflex社(QLD州)〔耳標メーカー〕

 Leader Products社は、家畜識別システムおよび畜産に係わる機器の製造と販売を行う専門業者として、1948年に設立された豪州の国内メーカーである。Allflex社はフランスに本社を持ち、84カ国に耳標を供給する国際的なメーカーである。

 VIC州では、州政府が耳標の購入に補助を行っている。現在は、これら2社のみが補助対象となっており、他社の耳標よりも安価に購入が可能である。州政府からの補助対象期間は残り2年となっており、期間終了後は改めて入札を行い、次期の補助対象業者が決定されるとのことであった。

 補助事業により供給される耳標の価格は、L社が1.1豪ドル、AF社が1.3豪ドルで、VIC州内ではどこでも同じ価格で購入が可能となっている。L社によれば、補助なしの場合の価格は2.6〜2.8豪ドル程度とのことである。

 AF社では、月曜に発注データを受け取った場合、近隣の農場なら翌日、遠く離れたへき地の農場でも翌々日には届けることが可能、との説明があった。

(2)Lindsay Marriott牧場〔VIC州〕

 Lindsay Marriott牧場は、グラスフェッドによる仕上げ(Finishing)を行っている。繁殖牧場から7〜9カ月齢の牛を導入し、24カ月齢となる前に出荷することを目標としている。面積450ヘクタールで1,000頭以上を飼養している。

 電子耳標はトレーサビリティのみならず、牛の個体ごとの投薬履歴(出荷時点に休薬期間を終えているか等)の管理、体重管理(目標のDGを達成しているかの確認や、出荷時期の予測を行う。急に増体が落ちた場合は病気を疑う。)に用いられていた(写真1)。
写真1 耳標の読み取り及び体重測定の結果。
体重が361kgであることが表示され、体重
(右下グラフの黄色の線)とその目標(同点線)が
比較表示されている。また、投薬後の出荷制限等
に関するアラートが表示されている(左上)。

(3)Victoria Livestock Exchange〔VIC州〕

 Victoria Livestock Exchange社は、生産者、家畜業者などによる共同経営の家畜市場である。今回訪問したVLE Leongathaでは、年間約11万5000頭の取引があり、うち6割がと畜加工向け、4割が農家向けとのことである。調査当日は、と畜加工向けの競りが行われていた。

 競りは個体ごとに、または複数の牛から成るグループ(ロット)を対象として行われ、大口の売買はロット方式が多い。売買が成立した後に、長い柄のついた読み取り装置(wand)で耳標の番号を読み取り、タブレット上で誰がいくらでその牛を購入したのか等を入力し、市場のデータベースに記録する(写真2)。
写真2 競りの様子。ペンの左手にいる人たち
が競り人。売買が成立した牛について、ペン
の上から、柄の付いた読み取り装置(写真中央の、
短い方の棒)で番号を読み取る。
 と畜加工向けの牛については、キログラム当たり単価で競り、市場搬出の際に量った体重に競りで決めた単価を掛けた額で取引をしている。ロット方式の取引の場合は、体重もロットで測定される。農家向けの牛は体重が重要視されてないため、市場では体重を量らない。

 家畜市場からの搬出後、移動履歴のデータがNLISに送信されるが、と畜加工場が購入した場合、と畜加工場に牛が到着する前に、全ての個体情報がと畜加工場に送信されるため、顧客のニーズに合わせて事前にと畜スケジュールを組み始めることで、効率的なと畜加工が可能となっている。

(4)Teys Australia社〔QLD州〕

 Teys Australia社は、肥育からと畜食肉加工、輸出、食品製造まで運営する総合企業である。今回訪問したBeenleigh工場では、1日におよそ1,200頭(最大で1,300〜1,350頭)の牛のと畜加工処理を行っている。

 NLISデータベース上のフラグにより、受け入れる牛について問題の有無を確認したり、顧客の要望に応じた牛(例:生涯履歴がある等)であることを確認していた。

 と畜の際には、ノッキングボックスに牛を固定し、棒状のスキャナで耳標を読み取った後にと畜を行う。この時に緑・黄・赤のいずれかのランプでステータスが表示され、何らかの警告がある場合にはわかるようになっていた。

 と畜後の枝肉は個体識別番号ではなくと畜番号によって管理され、枝肉が加工場に入場する際に、およそ20頭程度のグループごとに、グループのIDとと畜番号を関連づけし、加工後の箱詰めの段階でラベルに記載することで、特定の個体で問題が発見された場合には、その個体が含まれているグループの小売段階までの追跡が可能となっていた。

3.まとめ

 今回の調査で、NLISが牛を追跡するために必要最低限に機能を絞り込んだ、シンプルかつ農家負担の少ない仕組みとなっていることが理解できた。また、豪州では電子耳標による個体識別およびトレーサビリティ制度と結びつけながら、農家、家畜市場、と畜場等でデータベースが構築され、蓄積されたデータが日常の家畜管理のみならず、飼養管理の改善や家畜改良にも活用され、大規模経営を支える有効な手段となっていることがわかった。

 最後に、今回、豪州訪問に当たりご協力いただき、さまざまな質問に懇切丁寧に対応くださったMLAおよびNLIS Ltd.の職員の皆様、現地で我々を暖かく迎えていただいた各訪問先の関係者の皆様に感謝の意を表し、報告の結びとしたい。

参考文献

1 NLIS Ltd.(2003). NLIS XML Interface Specification, Parts 1-3.

2 NLIS Ltd.(2011). Standard for Radio-frequency identification devices, July 2011. http://www.mla.com.au/files/4cdfc7fe-c3b8-44c7-86bb-a0b400cce131/NLIS-Cattle-RFID-Standard-Jul-11.pdf

3 NLIS Ltd.(2012). Accredited Devices, July 2012. http://www.mla.com.au/files/49725149-3ede-475c-92ab-9f3500ca65a8/Accredited-cattle-devices-Jul-12-2.pdf

4 MLA(2013). Livestock Data Link. Feedback. March, 2013. http://www.mla.com.au/News-and-resources/Publications/Feedback-magazine

 
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