需給動向 国内 |
平成24年11月の鶏肉輸入量、4万5000トンを
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平成24年11月の鶏肉輸入量は、4万6382トン(前年同月比14.8%増)と、高水準であった。このうち、輸入量のほとんどを占めるブラジル産は、飼料穀物価格の高止まりに伴う現地の生産コスト増加により、取引価格が上昇し輸入数量が減少することが予想されていたが、実際には4万3832トン(同28.7%増)と、同年2月以来の4万トン超となった(図4、財務省「貿易統計」)。この要因としては、12月に向けた手当てが例年どおり入ったことに加え、11月下旬以降、円安・米ドル高の傾向が強まり、輸入通関を急ぐ動きがあったことが考えられる。 また、生産量も12万7131トン(同2.5%増)と、11月の実績としては、過去20年間で最も多かった。 11月の推定期末在庫は、国産品在庫が3万5191トン(同7.0%増)であったが、輸入品在庫が11万741トン(同4.0%減)と、19カ月ぶりに前年を下回った(図5、機構調べ)。 その結果、輸入品推定出回り量は、前年を大幅に上回る、4万9891トン(同53.1%増)となった(機構推計)。ただし、当該増加分の多くは加工用に仕向けられたことから、国産品の需給には大きな影響を及ぼさなかったとみられる。
引き合いは強まるも未だ低価格12月の卸売価格(もも肉1キログラム価格、むね肉1キログラム価格の単純合計:東京)は、クリスマスや年末年始向けの引き合いが強かったことから、2キログラム当たり846円(前年同月比1.6%高)と、13カ月ぶりに前年同月を上回った(農林水産省「食鳥市況情報」)。しかし、同価格を過去5年間の平均(2キログラム当たり931円)と比較すると、依然としてこれを大きく下回る水準にとどまっている(図6)。年明け最初の鶏肉相場は、ももがキログラム当たり651円、むねが同229円と、好調なスタートを切った(1月7日)。例年、1月中旬以降は生産量の増加に伴い価格が低下する傾向にあるが、どの程度の価格水準となるかが注目される。
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