需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

脱脂粉乳生産・出回り量の減少が続く


◇絵でみる需給動向◇


脱脂粉乳生産量は過去5年間の平均値と比べ1割以上減少

 農林水産省の「牛乳乳製品統計」によると、平成24年11月の脱脂粉乳生産量は、前年同月比1.5%増の1万521トンとなり、3カ月ぶりにプラスとなったものの、過去5年間の平均と比べると11.7%減の低水準となった(図7)。生乳生産が回復傾向にあるものの充分な供給量に達していないことや、生乳の仕向け先がフレッシュな脱脂濃縮乳へシフトしていることから、特定乳製品向けの生乳が減少しているためである。
図7 脱脂粉乳生産量の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」

出回り量も低水準で推移

 平成24年11月の脱脂粉乳の推定出回り量は、前年同月比6.7%減の1万900トンとなった。24年4〜11月までの8カ月間では、前年同期比4.9%減となっており、過去5年間平均と比べても13.6%減と需要の低下がみられている。
 この要因としては、乳業者の販売数量の制限などにより、脱脂粉乳から輸入調製品へ需要の置き換えが生じているためと考えられる(図8)。
図8 脱脂粉乳の指定出回り量の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」、生産局畜産部牛乳乳製品課調べ

卸売価格は高水準、民間在庫量は漸減

 脱脂粉乳の卸売価格(大口需要者価格)は、平成23年2月に25キログラム当たり1万4512円であったが、それ以降ほぼ一貫して前月を上回って推移しており、平成24年11月には前年同月比3.7%高の同1万5699円と、過去最高水準に達した。

 また、11月の脱脂粉乳民間在庫量は、同6.3%減の3万6634トンとなった。脱脂粉乳の民間在庫量は、平成21年度末に6万9684トンに達したが、22年度および23年度には毎年1万トン以上取り崩され、23年度末には4万7620トンとなった。24年度に入っても、引き続き生産量が需要量を下回って推移しており、在庫量は漸減している(図9)。

図9 脱脂粉乳の民間在庫量と卸売価格(大口需要者価格)の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」および「乳製品の大口需要者向け価格の
    動向」

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