需給動向 国内

◆鶏 卵◆

平成24年10月の鶏卵輸入量は前年同月を上回る


◇絵でみる需給動向◇


米国産の鶏卵輸入量が低調

 平成24年10月の鶏卵輸入量(殻付換算せず)は、2,754トン(前年同月比23.5%増)となった。これは、外食産業や加工メーカーからの引き合いが強まっているためとみられ、為替の動向によっては、今後輸入量が増加することも考えられる。

 一方で、1〜10月の累計では、前年が東日本大震災の影響によって高水準であったことや、最大の供給国である米国からの輸入量が、9,390トン(前年同期比20.8%減)と減少したため、前年を6.9%下回っている。

*輸入量は卵黄粉、凍結卵黄、全卵粉、凍結全卵、卵白粉の合計値。

大玉を中心に前年より高値で推移

 こうした中、全国農業協同組合連合会「畜産販売部情報」によると、10月の鶏卵卸売価格(全農M玉・東京)は、例年に比べて気温が低いことを背景に、家庭での鍋料理やおでんなどの需要が強かったことから、キログラム当たり193円(前年同月比3.9%高)と、前年同月を上回った。

 また、主に加工向けである大玉は、LL玉が同188円(同10.3%高)、L玉が同191円(同5.9%高)と、他のサイズに比べて上げ幅が大きかった。これは、外食産業や加工メーカーからの洋菓子を用途とした需要が高まっていることが影響しているとみられる(図10)。
図10 鶏卵の卸売価格の推移(前年同月比)
資料:全農「畜産販売部情報」
  注:価格は消費税を含まない。

飼料価格上昇の生産面への影響が懸念

 価格が回復する中、10月の成鶏用飼料価格(農家購入価格)は、キログラム当たり78円と、過去3年度平均(同70円)をかなりの程度上回り、前月からも5円程値を上げた(図11)。トウモロコシ等の飼料原料価格は、中国の引き合いや米国の干ばつを背景に、国際的に価格高騰が続いている。今後も飼料価格の値上がりが続いた場合は、飼養羽数の減少など、生産面への影響が懸念される。
図11 成鶏用飼料価格の推移
資料:全農「畜産販売部情報」
  注:価格は消費税を含まない。

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