需給動向 国内

◆飼 料◆

平成24年度上半期の配合・混合飼料生産量は前年度並みで推移


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省は11月20日、平成24月9月分の「流通飼料価格等実態調査(速報版)」を公表した。平成24年度上半期(4〜9月)の配合・混合飼料生産量は、1173万トン(前年比0.3%減)と前年度並みで推移している。通年の配合・混合飼料生産量は、近年、2400万トン台で推移しており、平成23年度は、前年比0.9%減の2425万トン(うち配合飼料2389万トン)であった。

 平成24年度上半期の用途別では、養豚用(同0.1%増)、肉牛用(同0.4%増)が前年同期を上回り、育すう・成鶏用(同1.5%減)、ブロイラー用(同0.3%減)、乳牛用(同0.6%減)と前年同期を下回っている。育すう・成鶏用が、304万トン(全生産量に占める比率25.9%)と最も大きく、養豚291万トン(同24.8%)、肉牛226万トン(同19.2%)、ブロイラー186万トン(同16.0%)、乳用牛160万トン(同13.6%)の順となっている。
図12 配合、混合飼料用途別生産量
資料:農水省「流通飼料価格等実態調査」

原料使用量比率はトウモロコシがさらに減少、代替として小麦が増加

 配合・混合飼料原料の原料使用量比率をみると、最大のトウモロコシは前年同期より2.2ポイント減の43.2%、続いて大豆油かす12.6%(同1.0ポイント減)、こうりゃん6.0%(同0.4ポイント増)、菜種油かす4.7%(同0.5ポイント増)、ふすま4.1%(同0.1ポイント増)、小麦3.9%(同2.8ポイント増)の順となっている。

 トウモロコシの占める原料使用量比率は平成17〜20年度に49%台であったが、その後、高水準の価格等を反映して減少傾向で推移している。平成24年度上半期は、6月後半から発生した米国中西部での大規模な干ばつによりトウモロコシ国際価格が高騰したため、これまでの減少傾向がさらに強まった。一方、飼料用小麦はトウモロコシの代替として豪州からの輸入が増加し、原料使用量比率が大きく高まった。

図13 配合・混合飼料の原料使用量比率:24年度(4〜9月)
資料:農水省「流通飼料価格等実態調査」

平成24年10月、ブラジル産トウモロコシ輸入量は34万トン

 財務省「貿易統計」によると、平成24年10月の飼料用トウモロコシ輸入量は、前年同期比3.5%減の82万トンとなった。トウモロコシ輸入量は、6月以降、トウモロコシ国際価格高騰の影響で減少し、月70万トン台で推移していたが、10月には80万トン台に回復した。10月の輸入量を国別でみると、米国産が41万トン(全体輸入量の50.6%)と引き続き減少する一方、ブラジル産が34万トン(同41.5%)とこれまでにない大量の輸入となった。

 平成24年度のトウモロコシ輸入量は、4〜6月にウクライナ産、7〜9月にアルゼンチン産、9〜10月にブラジル産が月10万トンを超えており、これまでの米国産一辺倒の輸入から東欧・南東欧や南米といった調達先の多様化が加速している。

 ブラジル開発商工省(SECEX)によると、同国からのトウモロコシ輸出量は干ばつによる米国産トウモロコシの価格高騰により7月から急増し、8〜11月の4ヵ月連続で単月の輸出量が過去最高を記録し、11月は391万4500トン(前年同月の3.3倍)、うち日本向けが107万2000トンとなっている(平成24年12月11日発 独立行政法人農畜産業振興機構 海外情報参照。http://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_000736.html)。ブラジルのトウモロコシ輸出量は、8月〜翌2月に大きいため、日本におけるブラジル産トウモロコシ輸入量は、11月以降も当面高水準になるとみられる。

図14 飼料用トウモロコシの主要国別輸入量
資料:財務省「貿易統計」

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