需給動向 海外

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生乳価格続騰、生乳生産量前年割れ


◇絵でみる需給動向◇

 LTO(オランダ農業園芸組織連合会)によると、域内主要乳業メーカー17社の10月の平均生乳価格は100キログラム当たり前年比1.9%安の33.48ユーロ(3,616円:1ユーロ=108円)となり、今年最高となった。

 ZMB(ドイツ乳製品市場価格情報センター)によると、現在の生乳価格の上昇は、12月の乳製品需要期に向けて引き合いが強まっていることに加え、生乳生産量が減少に転じたことを挙げている。

 生乳生産量は、7月以降減産に転じており、9月は前年比1.8%減の1088万トンとなった。減産している主な国は、フランスで前年同月比7.0%減、アイルランドで同7.1%減、英国で同4.4%減となっている。また、増産傾向を示していた東欧でもポーランドで1月から9月までの増加率が6.7%であるのに対し、9月は3.1%増と増加率の伸びが鈍化している。

 ZMBは、生乳生産は天候に左右されやすいため、EU27カ国の中での国別の増減は各国の地理的条件によるところが大きいとしている。
図11 EUにおける生乳価格の推移
資料:LTO
  注:域内主要乳業17社の平均値
 高い乳価に支えられ、2010年以降生乳生産量は前年を上回る水準で推移していたが、ここに来て変化が表れた。
図12 EUにおける生乳出荷量
資料:ZMB
  注:2012年は暫定数値

バター生産量減少が継続

 ZMBによると、10月のバター価格(100キログラム当たり)は322ユーロ(34,776円)と、前年より下回っているものの、6月に上昇に転じて以降堅調に推移している。

 これは、バター生産量が減少していることが主な要因である。8月のバター生産量は、7月以降の減少傾向が継続した。バター生産量の減少は、生乳生産量が減少したことに加え、夏場の脂肪含有量の低下が要因となっている。バター以外の乳製品では、脱脂粉乳、全粉乳も同様に減少に転じている。

 8月はバター生産量が減少したものの、EU全体で2012年1月から8月までで前年同期比2.5%増の133万9000トンとなっている。

 国別には、8月のバター生産量について主要生産国であるドイツ、フランスでそれぞれ前年同月比7.0%減、10.4%減となっているほかスペインで同26.3%減、アイルランドで同10.3%減となっている。いずれの国も天候が不順であったことが生乳生産量の低下につながった。

 これに伴いバターの民間在庫は、順調に市場に放出されており、13万トン超であった在庫量が11月末時点では5万トン弱まで減少している。
図13 バター卸売価格の推移

資料:ZMB オランダバター価格
表9 EUにおける主要国別バター生産量

資料:ZMB
  注:2012年は暫定値。


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