財務省が発表した貿易統計によると、平成24年10月の粉乳調製品等の輸入量は、前年同月比6.9%増の1万5129トンと、2カ月連続で前年同月を上回った。この結果、平成24年度(4〜10月)の粉乳調製品等の輸入量は、前年同期比5.4%増の9万9036トンとなった。
粉乳調製品等の輸入量は平成23年春頃から顕著に増加
粉乳調製品等の輸入量は、平成23年春頃から増加傾向が顕著となり、平成23年度合計では前年比14.5%増の15万8838トンとなった。平成24年度も増加傾向は継続し、輸入量は過去と比較しても高水準で推移している。なお、平成24年度の輸入相手国別ではシンガポールが最も多く全体の61.9%を占め、以下韓国18.3%、豪州11.9%となっている。
表1 粉乳調製品等一覧
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脱脂粉乳の価格上昇が主な要因
粉乳調製品等の輸入量が増加した主な要因としては、国内の脱脂粉乳の価格が上昇し、高水準で推移していることがあげられる。脱脂粉乳の大口需要者価格は、平成23年7月以降16カ月連続で前年同月を上回り続け、平成24年10月には25キログラム当たり15,638円と過去最高を記録している。
粉乳調製品等の輸入価格は低下傾向
粉乳調製品等の輸入量のうち大きな割合を占める品目(HSコード:1901.90-219、砂糖の割合が50%以上のもの)の輸入価格(CIF価格)は、平成24年4月に156円/キログラムであったものが、粉乳類の国際価格が一時的に低迷したことや為替が円高で推移したことから、10月には139円/キログラムと低下傾向にある。
このことから、国内の脱脂粉乳価格が上昇を続ける中、最終製品に価格転嫁が困難な需要者を中心に、国産の脱脂粉乳から、輸入の粉乳調製品等へ需要の移行が進んでいるものと考えられる。
図8 粉乳調製品等の輸入量と脱脂粉乳大口需要者価格の推移
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資料:財務省「貿易統計」
農林水産省「乳製品の大口需要者向けの価格の動向」 |
図9 粉乳調製品等の輸入価格の推移
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1901.90-211:粉乳に砂糖などを混ぜたもので、成分中の砂糖の割合が50%未満
かつ最大
1901.90-219:粉乳に砂糖などを混ぜたもので、成分中の砂糖の割合が50%以上
2106.90-284:乳糖、乳たんぱく又は乳脂肪を含むものに砂糖を加えたもので、
ショ糖含有量が50%以上
資料:財務省「貿易統計」 |
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