生乳出荷量をみると、3月は同2.3パーセント減の1215万900トンとなり、特に減少幅が大きかったのは、フランス、ベルギーおよび英国などEU西部の地域であった（図16）。これは、天候不良および高水準で推移する飼料穀物価格が主な要因である。現在もなお一部地域では気温の低下が報告されており、今後も生乳生産の大幅な回復は困難な見込みである。
図15 EUにおける生乳価格の推移 |
 |
資料：LTO 注：域内主要乳業17社の平均値 |
図16 EUにおける生乳出荷量 |
 |
資料：ZMB 注：2013年は暫定数値 |
脱脂粉乳生産量、14パーセント減
脱脂粉乳生産量は、1月は9万3706トンで対前年比13.4パーセント減、2月は8万1914トンで同15パーセント減と大幅に減少している（図17）。
特に、EUで最も生産量の多いフランスでは同17パーセント減、次いで多いドイツでも同13パーセント減となっている。減少の主な要因は、天候不良による生乳生産の減少によるものである。
輸出量をみると、生産の減少に連動して大幅に減少しており、生乳生産が減少し始めた昨年秋から前年を下回って推移している（図18）。国際市場価格をみると、国際的な需要を受けてEU産脱脂粉乳価格にも価格競争力が出てきているが、生産量減少により輸出が伸びない状況にある（図19）。
また、脱脂粉乳の民間在庫量も4月末時点で0トンであり、昨年の4,900トンと比べても本年はひっ迫していることがうかがえる。
今後の動向は、生乳生産の回復は前述のとおり秋口まで見込めないため、脱脂粉乳の生産も大幅な回復は見込めない状況である。
＊EUにおける需給動向の詳細は、今月号の海外情報「EUにおける酪農部門の現在と
展望〜Eucolait（ヨコレ）会議から〜」も併せてご参照下さい。
図17 EUにおける脱脂粉乳生産量 |
 |
資料：ZMB |
図18 EUにおける脱脂粉乳輸出量 |
 |
資料：ZMB |
図19 脱脂粉乳価格の推移 |
 |
資料：ZMB |