需給動向 海外

◆メキシコ◆

2013年1〜4月の生産量は4.3ポイント増加


 メキシコ連邦政府農牧農村開発漁業食糧省(SAGARPA)によると、2013年1〜4月の豚肉生産量は、前年同期比4.3パーセント増の39万9165トンとなった。生産量を地域別にみると、特に主要生産地である南部のユカタン州(同16.3%増)、ベラクルス州(同14.5%増)、北西部のソノラ州(同11.0%増)の伸びが目立っている。生産量が増加している要因として、飼料価格の上昇に伴い、生産者が肥育期間を短縮し、早期出荷を行っていることが考えられる(表2)。
表2 州別の豚肉生産量
資料:SAGARPA
  注:州名は2013年における総生産量の多い州から列挙
 SAGARPAでは、2013年通年での生産量見込みを、前年比2.7パーセント増の126万トンとしている(図6)。
図6 豚肉生産量の推移
資料:農畜産統計情報局
  注:2012年は速報値、2013年は予測値

日本向け輸出量は好調

 2013年1〜3月の豚肉輸出量は前年同期比6.7パーセント増の1万7285トン、輸出額は同18.0パーセント増の9826万ドル(100億2252万円:1米ドル=102円)となった。国別では総輸出量の8割を占める日本向けが同22.8パーセント増の1万4067トンとなった一方、米国向けが同27.0パーセント減の1,700トン、韓国向けが同35.3パーセント減の1,519トンといずれも前年同期を下回った(表3)。なお、日本・メキシコ経済連携協定(EPA)により、平成25年度のメキシコ産豚肉(調製品を含む)の関税割当数量は8万6000トンとなっている。

表3 国別豚肉輸出の推移
資料:GTI社“Global Trade Atlas”
図7 国別輸出割合(2013年1〜3月)
資料:GTI社“Global Trade Atlas”
 一方、2013年1〜3月の豚肉輸入量は前年同期比1.5パーセント減の12万8331トンとなった(表4)。全輸入量の9割以上を占める米国は、輸入量の半数以上が冷蔵のモモ、カタであり、主に加工向けや惣菜向けに使用されている。
表4 国別豚肉輸入の推移
資料:GTI社“Global Trade Atlas”
図8 国別輸入割合(2013年1〜3月)
資料:GTI社“Global Trade Atlas”


中国向けの輸出拡大に期待

 メキシコ豚肉生産者協会(Porcimex)によると、中国の習近平国家主席のメキシコ訪問(6月4〜6日)に際し、中国向けメキシコ産豚肉の輸出拡大について両国首脳が合意し、輸出承認されている豚肉処理施設数を現在の5カ所から49カ所に増加するとしている。また、同協会はこれにより、今年は中国向けの豚肉輸出が強化され、総輸出量は前年に比べ20パーセント増加すると期待している。


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