2012年の鶏肉輸出量は前年比22.6パーセント増
米国農務省(USDA)によると、アルゼンチンの鶏肉は、生産量では世界第8位、国内消費量は同第10位、輸出量は同第7位に位置している(2012年)(表3)。
表3 世界の鶏肉需給 |
|
資料:USDA
注:2012年は暫定値、2013年は予測値 |
こうした中、アルゼンチン農牧漁業省(MINAGRI)によると、2012年の鶏肉輸出量は27万1000トン(製品重量ベース)、輸出額は4億5908万ドル(454億4892万円:1米ドル=99円)となった。これに対し、牛肉の輸出量は18万4000トンとなり、鶏肉の輸出量が初めて牛肉を上回った。2012年1月から鶏肉の輸出量は常に牛肉を上回って推移し、12月までの累計数量もこれを維持した(図13)。
これは、アルゼンチン養鶏加工協会(CEPA)が策定した、「鶏肉産業成長計画(2010〜2017年)」に基づく市場拡大への取り組みによるところが大きいとみられる。
CEPAでは、2017年までの計画に基づき、国内のインテグレーション経営に対し、計画期間中1億米ドル以上の投資を行うほか、技術面での向上も目指している。
こうしたことから、2012年の鶏の処理羽数は、前年比7.6パーセント増の7億3465万羽と過去最高を記録した。
[参考]「鶏肉産業の現状と今後の見通し(アルゼンチン)」
http://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_000414.html
図13 鶏肉および牛肉の輸出量の推移 |
|
資料:MINAGRI |
なお、牛肉輸出量が減少した要因の一つとして、南米における輸出競争力の低下が挙げられる。まず、2009年に干ばつに見舞われたことから、繁殖めす牛のと畜が進み、飼養頭数が減少した。こうした中、国内への牛肉供給を優先させるために政府が輸出を制限した結果、市場での存在感が薄まり、ウルグアイやパラグアイなどの南米における他の牛肉供給国と比べ、競争力が低下した。
主要輸出先国はベネズエラ、チリ、中国など
鶏肉の主要な輸出先はベネズエラ、チリ、中国、南アフリカであり、これら4カ国で全輸出量の6割を占めている。
表4 国別鶏肉輸出(2012年) |
|
資料:アルゼンチン国家動植物衛生機構(SENASA) |
2013年の輸出量も増加の見通し
USDAによると、2013年の鶏肉生産量は200万トン、輸出量はベネズエラ、中国、チリなどからの需要増から、前回(2012年10月)の見通しより3万トン増加し、31万5000トンとしている。
また、CEPAでは、2017年には輸出量は60万トンに達し、生産量の3割が輸出に向けられるとの見通しを示している。
図14 鶏肉生産量と輸出割合の推移 |
|
資料:MINAGRI、SENASA |
|