需給動向 国内

◆鶏 卵◆

平成25年3月のM玉卸売価格、半年ぶりに前年割れ


◇絵でみる需給動向◇


平成25年3月のM玉卸売価格は、前年同月比1.7パーセント安

 平成25年3月における鶏卵のM玉卸売価格(東京)は、キログラム当たり175円(前年同月比1.7%安)と、半年ぶりに前年割れに転じ、過去3年の同月の平均価格と比べても8.3ポイント安と、低水準となった(全国農業協同組合連合会「畜産販売部情報」、図10)。ここ半年のM玉卸売価格は、生産量が減少傾向であったことや加工向け需要としても引き合いがあったことから、前年を上回って推移した。3月の価格が前年を下回った要因としては、例年に比べて気温が高かったことから鍋物需要が減少した一方、生産量が増加したことが影響したとみられる(3月の家計消費量は同4.8%減)。なお、4月のM玉卸売価格は同172円(同5.5%安)、5月2週目の平均価格も同170円(前年同期比4.0%安)と、低水準が続いている。

 他のサイズを見ると、S玉が前年同月を下回る一方、L玉やLL玉などの大玉は、同175円(前年同月比9.4%高)、同170円(同12.6%高)と、いずれも1割ほど前年を上回った。主に業務用として利用されるLL玉の価格は、過去3年の同月の平均と比べても1.0ポイント上回っており、加工向けを中心とした引き合いは引き続き強いとみられる。

 初夏に向けて、気温の上昇に伴い消費は減少するが、例年に比べて気温の高い日が続いていることから、どの程度価格へ影響するかが注目される。

*家計消費量は、総務省「家計調査報告」におけるデータであり、全国の二人以上の
 世帯における一人当たり購入量を比較した。

図10 鶏卵の卸売価格の推移(前年同月比)
資料:全農「畜産販売部情報」
  注:価格は消費税を含まない。

平成24年度の鶏卵輸入量は前年度比15.1ポイント減

 平成25年3月の鶏卵輸入量は、1,822トン(前年同月比23.2%減)と、前年をかなり下回った(財務省「貿易統計」)。輸入量について、23年度は、東日本大震災の影響により、加工メーカーが原材料の安定供給を図るため、輸入を増やす傾向にあったことから、24年度の累計輸入量は2万5754トン(前年度比15.1%減)とかなり大きく下回ったが、21年度から23年度の3年間の平均輸入量(2万5467トン)をわずかに上回る水準になった。

*輸入量は、卵黄粉、全卵粉、卵黄、鳥卵、卵白の合計値。


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