需給動向 国内

◆飼 料◆

平成24年度飼料用トウモロコシ輸入量、前年比5.1ポイント減で7年連続の減少


◇絵でみる需給動向◇


 平成24年度の飼料・飼料原料輸入量のうち、最大のトウモロコシは前年度比5.1パーセント減の1022万トンと、18年度以降7年連続の減少となった(財務省「貿易統計」)。トウモロコシ以外では、次いで輸入量が大きい大豆油かすが同6.8パーセント減の200万トンと2年連続で減少し、大麦が同7.2パーセント減の106万トンと前年度を下回った。一方、こうりゃんは144万トン(前年度比8.6%増)、小麦は89万トン(同100.0%増)と増加した。特に小麦については、23年度が前年の4倍、24年度が同2倍と2年続けて急増している。要因は、トウモロコシ輸出価格の上昇、配合飼料価格の高騰対策として飼料用小麦の輸入予定数量が改定されたためでありトウモロコシの代替利用が加速した。

 24年度の輸入価格(CIF)を見ると、トウモロコシは2万8028円/トン(同0.9%高)と前年度並みの高水準となった。輸入価格の推移を見ると、年度前半は前年を下回っていたが、後半は需給逼迫や円安等の影響により秋以降上昇傾向で推移した。また、小麦と大豆油かすについては、それぞれ2万7344円/トン(同17.6%高)、4万6977円/トン(同26.8%高)と前年を大きく上回った(図11)。
図11 主な飼料・飼料原料輸入量、輸入価格(CIF)
資料:財務省「貿易統計」

米国産飼料用トウモロコシ輸入量は前年比4割減

 平成24年度の輸入相手国別輸入量を見ると、トウモロコシについては、最大の購入先である米国では6月半ば以降、大規模な干ばつが発生して不作となり価格が高騰したことから、539万トン(前年同月比42.8%減)と大幅に前年を下回り4年連続の減少となった。一方、ブラジル320万トン(同379.9%増)、アルゼンチン62万トン(同52.0%増)、ウクライナ74万トン(同169.1%増)といった南米や黒海沿岸の東欧および南東欧からの輸入が大幅に増加した。

 この結果、輸入量の比率は、米国が52.7パーセント(同33.4ポイント減)と大きく減少する一方、ブラジル31.3パーセント(同25.2ポイント増)、ウクライナ7.3パーセント(同4.8ポイント増)、アルゼンチン6.0パーセント(同2.1ポイント増)と増加した。特にブラジルからの輸入は大きく、24年度下期(10〜翌3月)だけで見ると輸入量全体の59.5パーセントを占めており、米国の34.0パーセントを大幅に上回った。米国からの輸入量の比率は20年度には98.1パーセントとほぼ独占状態であったが、その後減少傾向で推移し、特に24年度は輸入相手国の多様化が急速に進んだ(図12)。

図12 飼料用トウモロコシ輸入量相手国別比率
資料:財務省「貿易統計」
 輸入量が増加した小麦については、豪州37万トン(前年度比109.0%増)、カナダ26万トン(同191.4%増)、米国25万トン(同57.9%増)と主要3カ国がほぼ全量を占め、いずれも増加した。

 また、輸入量が減少した大豆油かすについては、23年度最も輸入量の大きかったインド(65万トン、同49.3%減)や第2位の米国(27万トン、同15.3%減)からの輸入量が減少する一方、中国(72万トン、同226.0%増)、アルゼンチン(11万トン、同189.3%増)の輸入が大幅に増加し、輸入相手国の変動が大きかった。

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