1月輸出量は単月で過去最高
豪州農漁林業省(DAFF)によると、2013年1月の牛肉輸出量(子牛肉含む。船積重量ベース)は5万5147トン(前年同月比16.9%増)と前年同月から大幅に増加し、単月では過去最高となった。2012年後半以降、豪州東部の乾燥気候によると畜頭数の増加や、米国や中国などからの堅調な需要に支えられて輸出量は伸びており、2013年も好調な滑り出しとなった。
主要3カ国をみると、日本向けが1万6964トン(同1.0%増)、米国向けが1万1948トン(同1.5%増)、韓国向けが7,790トン(同15.9%増)となった。また、2012年に好調であった中国向け4,437トン(同18倍)、台湾向け1,781トン(同23.7%増)に加え、中東向けが3,280トン(同2倍)となり、新興市場向けが順調に拡大をみせている。
日本向けは前年同月をわずかに上回ったものの、1月輸出量の過去5年平均(1万8036トン)は5.9%下回る低水準となっている。これは、日本国内における米国産との競合に加え、豪州産に対する米国や新興国の引き合いの強さから現地取引価格高が続いていることが、豪州産への需要に影響を与えたものとみられる。カテゴリー別では、冷凍牛肉が1万155トン(同5.3%増)と増加した一方、冷蔵グラスフェッド牛肉は1,620トン(同15.9%減)と過去最低の数量となった。
表2 国・地域別牛肉輸出量 |
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資料:DAFF
注:船積重量ベース |
表3 日本向けカテゴリー別輸出量 |
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資料:MLA
注:船積重量ベース |
2013年輸出量は過去最高となった前年を上回る99万5000トンと予測
豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は1月、肉牛需給予測を公表した。これによると、2013年前半まで高温乾燥気候が継続するとの見通しから、2013年のと畜頭数(子牛除く)は767万5000頭(前年比3.7%)、牛肉生産量(子牛肉除く)は221万3000トン(同2.1%増)と、いずれも増加を見込んでいる。現在、豪州国内では牛肉小売価格の上昇などから牛肉消費は低調であり、増産分は輸出に仕向けられるとみている。輸出量は過去最高となった前年を3.2%上回る99万5000トンと予測されている。国別で増加が見込まれるのは、米国向け25万5000トン(同13.8%増)、台湾向け4万トン(同4.5%増)、中国向け3万5000トン(同6.4%増)などである。
一方、日本向けは、米国産輸入の規制緩和が豪州産の輸出に影響を与えるとみられ、31万トン(同0.5%増)と伸び悩むものとみている。
国内や最大の輸出市場である日本からの需要が停滞する中、2013年の豪州の牛肉産業を支えるのは、引き続き米国やアジアなどの新興市場とみられる。
表4 肉牛産業の見通し |
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資料:MLA |
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