需給動向 国内

◆鶏 肉◆

平成24年12月の輸入鶏肉在庫量、19カ月ぶりに
10万トンを下回る


◇絵でみる需給動向◇


 平成24年12月の輸入鶏肉の推定期末在庫量は、9万3404トン(前年同月比17.7%減)と、19カ月ぶりに10万トンを下回った(機構調べ、図4)。これは、12月の鶏肉輸入量が2万3097トン(同49.8%減)と、前年同月に比べ半分近く減少した(財務省「貿易統計」、図5)ことによるものである。なお、こうした状況を反映して、輸入品の推定出回り量も4万434トン(同15.3%減)と、前月と比較して9,000トン余り減少した。

 東日本大震災発生直後、国産品の減少から鶏肉輸入量が増加したが、国内生産量が回復した後も需要を大きく上回る量の輸入が継続されていたことから、恒常的に在庫過多の状態が続いていた。そうした中、最近においては、飼料穀物価格高によるブラジル産鶏肉の現地相場上昇や円安の進行により、輸入品価格上昇の圧力が強まっていたが、現在の市場のデフレ環境から、輸入品の国内相場には大幅な上昇はみられなかった。輸入品在庫量が10万トンを割り込む水準まで減少したことにより、今後、需給バランスの改善、および輸入品卸売価格の一段の上昇が起こる可能性がある。

 一方、12月の鶏肉調製品の輸入量は4万4030トン(同12.3%増)と、過去最高を更新し(財務省「貿易統計」、図5)、引き続き加熱調理品に対する強い需要があることがうかがえる。


図4 鶏肉生産量および在庫量の推移
資料:平成23年12月以前の生産量は農林水産省「食鳥流通統計」
     平成24年1月以降の生産量および在庫量は農畜産業振興機構調べ
図5 鶏肉・鶏肉調製品輸入量の推移
資料:財務省「貿易統計」

今後の国産卸売価格は、輸入品価格の動向次第

 12月の国内生産量は13万5749トン(同2.3%減)、国産鶏肉の推定出回り量は13万5287トン(同1.9%減)であったことから、推定期末在庫量は3万5653トン(同5.3%増)と、わずかに積み増した(機構推計、図4)。1月の国産鶏肉卸売価格(もも肉1キログラム価格、むね肉1キログラム価格の単純合計:東京)は2キログラム当たり864円(前年同月比2.1%高)と、12月に引き続き前年同月を上回った(農林水産省「食鳥市況情報」、図6)。1月中旬以降は、例年通りの緩やかな低落傾向で推移している(2月1〜14日の同価格平均:同840円)が、今後の輸入品の価格動向次第では、国産相場が例年より早く上向く可能性も考えられる。

図6 鶏肉卸売価格の推移(もも+むね)
資料:農林水産省「食鳥市況情報」

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