需給動向 国内

◆飼 料◆

平成24年産飼料作物の作付(栽培)面積は前年並み


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省は1月29日、平成24年産飼肥料作物の作付(栽培)面積を公表した。これによると、作付(栽培)面積は102万9000ヘクタール(前年比0.1%減)、うち飼料用は93万1600ヘクタール(同0.2%減)と前年産並みとなった。

 飼料作物の作付面積の内訳は、約8割を占める牧草が75万800ヘクタール(同0.6%減)、青刈りトウモロコシ9万2000ヘクタール(同0.2%減)、ソルゴー1万7000ヘクタール(同3.4%減)となった。ソルゴーの作付面積が減少したのは、WCS(ホールクロップサイレージ)用稲等への転換があったためである。それ以外では、その他青刈り作物が2万7700ヘクタール(同11.2%増)と増加した。これは、9割以上を占めるWCS用稲が2万5900ヘクタール(同10.7%増)と増加したためである。WCS用稲の作付面積は、23年度から始まった農業者戸別所得補償制度の本格施行を背景として急速に増加した(図9)。
図9 飼料作物作付け(栽培)面積の推移
資料:農林水産省「平成24年産飼肥料作物の作付(栽培)面積」

WCS用稲の作付け面積は九州を中心に拡大

 飼料作物の作付面積のうち牧草を地域別にみると、北海道54万8900ヘクタール(同0.4%減)、東北9万600ヘクタール(同3.0%減)と、ほとんどの地域が前年を下回る中で、九州は6万3600ヘクタール(同2.3%増)と増加した。

 また、WCS用稲については、九州が全国の56.3%に相当する1万4600ヘクタール(同9.8%増)を占め、東北が19.5%に相当する5,040ヘクタール(同15.3%増)と続いている。都道府県別では、熊本県が5,130ヘクタール、宮崎県が4,440ヘクタールと大きく、上位5県中4県を九州が占めている(表3)。

表3 WCS用稲作付面積上位5県
資料:農林水産省(農林水産統計)

平成24年の飼料用トウモロコシ輸入量、米国産の比率は66.7%に低下

 財務省「貿易統計」によると、平成24年(1〜12月)の飼料用トウモロコシ輸入量は、1004万トン(同6.0%減)となり、近年の減少傾向が一層明確となった。特に米国からの輸入量の減少が顕著で、670万トン(同28.0%減)となった。この結果、全体の輸入量に占める米国産の比率は、平成20年には98.7%とほぼ独占していたが66.7%となり、平成23年より20.4ポイント低下した。一方、ブラジル(162万トン、同101.2%増)、ウクライナ(88万トン、同655.2%増)といった米国以外の国からの輸入量が大幅に増加した(図10)。特にブラジルからの輸入量は9月から急増し、11月には55万トン、12月には56万トンと2カ月続けて米国を抜いて最大となった。
図10 飼料用トウモロコシ輸入量の推移

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