生乳生産動向、前年上回るも伸びは鈍化
デーリー・オーストラリア(DA)によると、2012/13年度(7月〜翌6月)上半期(7〜12月)の生乳生産量は、前年同期比0.5%増の535万キロリットルとなった。9月までは14カ月連続で前年同月の水準を上回っていたが、10月および12月に前年割れとなるなど、生産の伸びは鈍化している。この要因としては、今年度の乳価が前年度比約7%安と見込まれることや飼料穀物価格高などが挙げられる。
ただし、豪州の生乳生産の約3分の2を占めるビクトリア(VIC)州の上半期の生乳生産量は、前年同期比1.3%増の362万6000キロリットルと順調である。特に、VIC州のうち北部では、かんがい用水が豊富なことから、同7.2%増となっている。
なお、1月にはVIC州やタスマニア州で大規模な山火事などが発生したが、幸いにも酪農業への直接的な影響は限定的とみられている。また、同月末にクイーンズランド州を襲った洪水では、乳牛数百頭が被害を受けたとの現地報道があるが、こちらも影響は限定的とみられる。ただし、道路が不通になって集乳が困難になるなど、間接的な影響が今後、懸念されている。
図13 州別の生乳生産量(7〜12月) |
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資料:DA
注:NSW州はニューサウスウェールズ州、SA州は南オーストラリア州、QLD州
はクイーンズランド州、WA州は西オーストラリア州 |
7〜12月の脱脂粉乳輸出は4割超増
2012/13年度上半期(7〜12月)における乳製品の輸出量は、バターおよび脱脂粉乳の増加が目立つ。バターは前年同期比63.7%増の2万2200トン、脱脂粉乳は同42.1%増の8万8100トンと、いずれも大幅な増加となっている。このほか、チーズ(同3.1%増)、飲用乳(同6.5%増)、ホエイ製品(同30.2%増)なども前年を上回った。一方で、全粉乳は同6.7%減の5万6200トンと、かなりの減少となった。
これは、米国産の脱脂粉乳の輸出減などにより、脱脂粉乳の国際価格が、全粉乳に対して堅調に推移していることによるものである。粉乳の国際価格の指標の一つとなっているグローバルデーリートレード(フォンテラ社主催の電子オークション、月2回開催)の2013年2月5日開催分までの推移を見ると、脱脂粉乳は2012年9月18日以降、12月4日分を除いて前年の水準を常に上回って推移している。一方、全粉乳は依然として前年の水準を下回ったままである。
図14 乳製品輸出量(7〜12月) |
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資料:DA |
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図15 グローバルデーリートレードにおける脱脂粉乳および全粉乳価格の推移 |
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資料:グローバルデーリートレード |
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