需給動向 海外

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2012年鶏肉生産量は140万トン超

◇絵でみる需給動向◇


2012年の生産量は前年比4.1%増

 タイ農業・協同組合省によると、2012年のブロイラー処理羽数は、10億3386万羽(前年比4.1%増)、鶏肉生産量は141万6000トン(同4.1%増)となった(図13、図14)。

 増産の要因として、「モダントレンド」と称される中食・外食での鶏肉調製品の需要の増加、また、2012年7月以降のEU向け生鮮・冷凍鶏肉の輸出解禁による輸出拡大や新たな市場(中東、ロシア、南アフリカ)向けが伸びていることが挙げられる。

 大手インテグレータの一部では、旺盛な内需と輸出拡大に対応するため、処理ラインを増設するなど増産計画を示している。需要の増加は、今後も続くことが見込まれており、2013年の鶏肉生産量は、146万トンと予測されている。

 また、小売価格は、力強い内需にけん引され、年末に向けて続伸しており、2012年12月の価格は1キロ当たり63.5バーツ(208円:1バーツ=3.28円)と、ここ3カ月で7.1%高となった。

 さらに、EUに続き、韓国やシンガポール向けの生鮮鶏肉の輸出解禁への期待感も価格の押し上げ要因とみられている。

図13 鶏肉生産量の推移
資料:タイ農業・協同組合省
  注:2013年は予測
図14 ブロイラー処理羽数と小売価格の推移
資料:処理羽数(タイ農業・協同組合省)、
    小売価格(タイ商務省)

2012年の輸出量は55万トン超

 2012年の鶏肉輸出量は、EUの輸入解禁と好調な鶏肉調製品の輸出により、前年比16.8%増の55万6000トン(冷蔵・冷凍鶏肉が11万1000トン、鶏肉調製品が44万5000トン)となった。

 品目別でみると、冷凍鶏肉(HSコード:020714(カット品))は輸出量が8万2331トン(前年比78%増)で、主な輸出先はラオス向けが3万2056トン、マレーシア向けが1万1607トン、EU向けが1万1640トンとなった(図15)。

図15 冷凍鶏肉(カット品)輸出量
資料:Global Trade Atlas
  注:HSコード:020714

 冷凍加塩鶏肉(HSコード:021099)は輸出量が2万3329トン(同56倍)となり、うち、EUが2万2564トンと96.7%を占めた(図16)。

 鶏肉調製品(HSコード:160232)は輸出量が44万5243トン(前年比7.1%増)で、主な輸出先は日本向けが21万2674トン(同12.5%増)、EU向けが19万5410トン(同0.1%増)となった(図17)。

 タイ農業・協同組合省では、ブロイラー産業を輸出の基幹産業と位置づけ、新たな市場の開拓を積極的に行っている。輸出量は中東向け(アラブ首長国連邦、バーレーン)が4862トン(同8.9倍)、ロシア向けが8581トン(同8.3倍)、南アフリカ向けが8284トン(同3.8倍)となり、これらの地域への輸出量が急増している。
図16 冷凍加塩鶏肉輸出量
資料:Global Trade Atlas
  注:HSコード:021099

図17 鶏肉調製品輸出量
資料:Global Trade Atlas
  注:HSコード:160232


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