需給動向 国内 |
平成25年4〜6月期の配合飼料供給価格、急速な円安等により前期比約3,200円の値上げ |
全国農業協同組合連合会(全農)は3月15日、平成25年4〜6月期の配合飼料供給価格を発表した。前期(25年1〜3月期)と比較して、全国全畜種総平均でトン当たり約3,200円の値上げとなった。配合飼料供給価格は、24年4〜6月期から3期連続で値上げ後、前期は据え置きとなったが、再び値上げとなった。今期は、米国産トウモロコシが、昨年発生した大干ばつの影響で不作となり、期末在庫予想数量が低水準であることから、旧穀について需給緩和する可能性が低いこと、これに加え、急速に円安が進んでいることなどが主な値上げの要因である。全農以外の主な商系配合飼料メーカーおよび専門農協では、同様に前期と比較して3,200円台の値上げとなった(図11)。
1 飼料穀物(トウモロコシ) (1)米国産トウモロコシは、昨年の大干ばつの影響により歴史的な低水準の在庫率で需給が逼迫しており、シカゴ相場は引き続き高値水準。 (2)加えて、為替が大幅なドル高円安となったため円建てで大幅に上昇する見込み。 (3)なお、ブラジル産については豊作期待もあるが、輸出などの物流懸念から米国産への需要回帰の可能性もある。 2 大豆粕 (1)シカゴ定期大豆粕相場は、南米産大豆の豊作が確定的となったものの、ブラジルのインフラ不備による輸出遅滞が発生し、米国産大豆への需要が衰えないことから値下がりは限定的。 (2)今後は、ドル高円安の影響を大きく受け、値上がりとなる見込み。 3 海上運賃 (1)依然として新造船の供給が潤沢であり船腹需給は緩い状況。 (2)しかしながら、今後は南米大豆の輸送需要が増加することや燃料価格が高止まりしていることから、堅調に推移する見込み。 4 外国為替 (1)新政権による積極的な金融緩和と大型の財政出動が予想されていること、米国経済の景気回復への期待が広まったことから急激な円安が進展。 (2)今後は、新政権と日銀が一体となり積極的な金融緩和政策を進めることが予想されることから、さらに円安で推移。 農林水産省が配合飼料価格高騰対策を継続 農林水産省は3月15日、高水準で推移する飼料穀物価格や急激な円安の進展などを受け、生産者の経営に及ぼす影響を緩和するため、配合飼料価格高騰対策を公表した。昨年9月に公表した対策を継続する内容となっており、概要は次のとおりである。 飼料・飼料原料の輸入価格(CIF)は平成24年夏以降上昇傾向で推移最近の配合飼料供給価格上昇の背景として、飼料・飼料原料の月別輸入価格(CIF)の動向を見ると、輸入価格は平成24年夏以降、トウモロコシなど主要な飼料・飼料原料において上昇傾向で推移している。24年8月と直近の25年2月時点の輸入価格を比較すると、トウモロコシが23.5%高となったほか、こうりゃん32.5%高、大麦34.1%高、小麦36.2%高と3割程度上昇している。また、トウモロコシとその代替として輸入量が増加した小麦の価格を比較すると、昨年8月までトウモロコシが小麦を上回っていたが、9月以降、価格が逆転しており、小麦の価格優位性が薄れてきている(図12)。
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