需給動向 海外 |
米国農務省、トウモロコシの期末在庫を上方修正
|
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は4月10日、4月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。米国における2012/13穀物年度(9月〜翌8月)のトウモロコシと大豆の生産に係る数値は、すでに収穫が終わっているため、すべて前月の予測値が据え置かれた。今回の報告では、トウモロコシはエタノール向けおよび食品向けなどが上方修正されたものの、輸出量および飼料等向けが下方修正されたことから、期末在庫は前月よりも増加した。大豆は国内搾油向けおよび輸出量などが上方修正されたものの、期末在庫は前月の数値が据え置かれた(表7)。トウモロコシ生産者平均販売価格はわずかに下落需要状況をみると、トウモロコシ価格の高騰により一部がほかの飼料穀物(大麦およびソルガム)へ切り替えられたことから、飼料等向けが1億5000万ブッシェル(381万トン)下方修正された。エタノール向けは、原料であるトウモロコシ価格の下落により生産量がわずかに増加すると見込まれることからわずかに上方修正された。輸出量は、米国産トウモロコシ価格の高止まりによる販売量の減少や、ブラジルおよびウクライナ産トウモロコシの輸出量の増加などを受け、前月の予測値から2500万ブッシェル(63万5000トン)引き下げられた。今回、前月予測から下方修正された飼料等向けおよび輸出量の減少分が、同じく上方修正されたエタノール向けなどの増加分を上回った。このため、期末在庫は前月から1億2500万ブッシェル(317万5000トン)上方修正され、期末在庫率は1.2ポイント増加した。 その結果を受け、生産者平均販売価格は、米国産トウモロコシの需要の減少なども踏まえ、上値および下値ともに引き下げられ6.65〜7.15ドルになると予測している。 トウモロコシ主要生産地では、保管施設不足の懸念業界関係者によると、トウモロコシ主要生産州であるミネソタ州、イリノイ州およびネブラスカ州においてトウモロコシ保管施設(農家および港湾の保管施設)の不足が懸念されている。2012年度産トウモロコシは、減産により価格が高騰した。しかし、高価格が原因となり需要が低下したことから、3月末に大幅に価格が下落した。このため、トウモロコシ生産者は売り時を失った形となり、保管施設にトウモロコシを貯蔵し続けているとみられる。仮に2013/14年度の生産見通しが現在のUSDAの見込み通りの大豊作となれば、保管施設の不足が懸念されており、特に、生産量の多いイリノイ州およびアイオワ州で深刻な状況が予測されている。
|
元のページに戻る