需給動向 海外

◆世 界◆

トウモロコシの消費量はわずかに減少


◇絵でみる需給動向◇


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)によると、世界のトウモロコシ生産量(2012/13年度)は、ブラジルおよび欧州で前年を上回る生産量が見込まれるものの、世界のトウモロコシ生産量の約4割を占める米国に加え、ウクライナおよび南アフリカにおいても減産が見込まれることから前年度比3.0%減の8億5592万トンと減産の見通しとなった(表5)。

 輸入量は、減産となった米国で増加するものの、中国での鳥インフルエンザ発生の影響により、飼料需要が低下するとみられることから同6.8%減の9642万トンを見込んでいる。一方、輸出量は、増産見通しであるアルゼンチンおよびブラジルで輸出量の増加が見込まれるものの、輸出国である米国およびウクライナで前年を下回るとみられている。

 消費量は、米国産トウモロコシ価格の高止まりにより他の飼料穀物への代替が進むとみられることから、同1.9%減の8億6251万トンと見込まれる。

 なお、期末在庫は、減産となった米国に加えウクライナにおいても減少が見込まれることから同5.0%減の1億2529万トンと予測された。

表5 主要国におけるトウモロコシの需給見通し(2013年4月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「World Markets and Trade」
注 1:南米の生産量については見込み
注 2:本欄では、これまで世界の需給見通しもUSDA公表の「World Agricultural Supply and
     Demand(以下WAOB)」の予測値を使用していたが、南米の輸出量の予測値が実態と異なるこ
    とから、WAOBの担当員に照会した。その結果、WAOBは、南米について北米の2012/13年度
    に相当する予測値を2011/12年度として取り扱っていることが明らかとなった。
    このため今号から、より現在の生産等の実態を反映させるため、FASが公表している予測値を
    掲載することとした。

南米のけん引により輸出量は増加

 世界の大豆生産量(2012/13年度)は、干ばつの影響により米国および中国で減産となる一方、ブラジルおよびアルゼンチンで前年を上回る増産が見込まれることから、前年度比12.5%増の2億6963万トンと増産見通しとなった(表6)。

 輸入量は、畜産物の消費が増加傾向である中国に加え、欧州、メキシコなどでも増加が見込まれることから、同2.4%増の9548万トンと予測している。

 一方、輸出量は、減産により米国で減少が見込まれるものの、輸出余力のある南米で前年を大きく上回るとみられることから、同9.8%増の9786万トンとみている。

 消費量は、主に中国で前年を上回る増加が見込まれることから、同1.6%増の2億3035万トンと増加するものとみられる。

 なお、期末在庫は、主に増産見通しであるブラジルおよびアルゼンチンで前年を大きく上回る増加が見込まれることから同13.6%増の6263万トンと予測している。
表6 主要国における大豆の需給見通し(2013年4月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「World Markets and Trade」
  注:年度は、世界各国の穀物年度

元のページに戻る