需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

平成25年2月の飲用牛乳等生産量は引き続き減少も、乳飲料は堅調


◇絵でみる需給動向◇


 平成25年2月の飲用牛乳等注1生産量は、26万7112キロリットル(前年同月比7.5%減)となった(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。この増減率を閏年換算すると4.2%減相当となり、従来の減少傾向がより鮮明になってきている。

牛乳単体では6.0%の減少

 25年2月の牛乳生産量は、23万1882キロリットル(同6.0%減、閏年換算後2.7%減)となった。内訳を見ると、学校給食用が3万6368キロリットル(同9.6%減、閏年換算後6.4%減)、業務用牛乳が2万846キロリットル(同12.4%減、閏年換算後9.3%減)である。減少の要因は、24年2月の伸び率がかなり大きかったことの反動と考えられる。なお、これら2つの区分を除く飲用牛乳は、17万4668キロリットル(同4.4%減、閏年換算後1.0%減)となり、わずかな減少にとどまっている。
図6 牛乳生産量の内訳と推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」

加工乳・成分調整牛乳は減少傾向、乳飲料は堅調

 25年2月の加工乳・成分調整牛乳の生産量は減少傾向が続き、両者の合計で3万5230キロリットル(前年同月比16.1%減、閏年換算後13.2%減)と、9カ月連続で前年同月を10%以上下回った。特に加工乳は、バターおよび脱脂粉乳などの原料コスト高に伴う価格競争力の低下などにより、11カ月連続で前年同月を20%以上下回って推移している。

 一方、乳飲料は、カルシウムやビタミンなどを加えて特定の栄養素を強化し、消費者の健康へのニーズを満たすことにより、堅調な伸びを見せている。25年2月の生産量は、9万3318キロリットル(同3.9%増、閏年換算後7.6%増)と、3カ月連続での増加となっており、24年度は過去最高水準となることが見込まれる。
図7 加工乳・成分調整牛乳と乳飲料の生産量の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」

1人当たりの牛乳消費量は長期低落傾向

 1人当たりの飲用牛乳等の消費量を長期的に見ると、平成23年度の牛乳消費量は1人当たり年間24.1リットル(前年度比1.5%増)と、過去20年間で最低であった22年度の23.8リットルからわずかに回復した。しかし、近年は他の飲料との競合によって低落傾向にあり、16年度の30.8リットルと比較すると、7年間で6.6リットル(21.5%)減少した。24年度は、25年2月までの牛乳生産量が前年度比1.3%減であるため、再び22年度に近い水準にまで減少することが見込まれる注2

 加工乳・成分調整牛乳の消費量は23年度に1人当たり4.5リットル(同14.1%減)と、3年ぶりに5リットルを下回った。24年度は、25年2月時点の生産量が13.0%減であるため、消費量も2年連続でかなり減少すると見込まれる。

 また、乳飲料の消費量は23年度に1人当たり10.1リットル(同7.1%増)と、3年連続で前年度を上回った。24年度も、25年2月時点の生産量が3.3%増であるため、消費量も前年度を上回ると見込まれる。

(注1):牛乳と加工乳・成分調整牛乳を指す。乳飲料は含まれない。

(注2):牛乳、加工乳・成分調整牛乳および乳飲料は、日持ちしないフレッシュ物であるため、生産量の増減がそのまま消費量に直結するとみなす。
図8 1人当たりの牛乳等消費量の推移
資料:一般社団法人Jミルク
    (http://www.j-milk.jp/gyokai/database/rreport2012_11/index02-1-2.html

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