需給動向 海外

◆ブラジル◆

2013年第2四半期の鶏肉輸出量は前年同期比微減


輸出量は前年同期比減、輸出額は同14.9パーセント増

 2013年第2四半期(4〜6月)の鶏肉輸出量は、前年同期比1.5パーセント減の91万581トンとなった(表4)。2012年5月以降、為替相場はドル高レアル安傾向が続いているものの、平均輸出単価が1トン当たり2,130米ドル(21万1000円:1ドル=99円)と、前年同期比16.6パーセント高の大幅な上昇となったことを受け、輸出量は減少した。輸出先を国別で見ると、前年に引き続き、最大の輸出先国はサウジアラビアで、同6.5パーセント増の16万7259トン、第2位は日本で同4.5パーセント減の10万1304トン、第3位は香港で同18.4パーセント増の8万9987トンとなった。また、中国は、同29.1パーセント減の4万4461トンと大幅な減少となった。サウジアラビアやアラブ首長国連邦を主としたアラブ諸国への輸出量が伸びている要因としては、ブラジル国内で、ハラル認証を受けた食肉処理施設が増えていることが影響している。一方、日本向けが減少した要因として、平均輸出価格上昇の影響や、日本国内で鶏肉供給量が過剰気味となったことにより相対的に輸入量が減少したものと考えられる。

 他方、輸出額は同14.9パーセント増の19億3966万ドル(1944億円)とかなり大きく増加した。ブラジル養鶏連合(UBABEF)によると、人件費の上昇分を価格に転嫁したことで、平均輸出価格が上昇したとしている。このような状況を受けUBABEFは、ブラジル国内の大手食肉メーカーの価格競争力は、低下傾向にあるとしている。

表4 第2四半期の鶏肉輸出
資料:ブラジル開発商工省貿易局(SECEX)

鶏肉生産者価格は下落傾向、6月の価格は前年同月並みに

 ブラジル産鶏肉価格の指標となるサンパウロ州の鶏肉平均生産者価格は、2013年5月に10カ月ぶりに1キログラム当たり2レアル(86円:1レアル=43円)を下回り、6月も引き続き低水準にある。過去最高を記録した2012年12月と比べると、2013年6月時点で1キログラム当たり1レアル以上安く推移しており、6月時点の平均生産者価格は、1キログラム当たり1.88レアル(80円)となった(図16)。
図16 サンパウロ州の鶏肉の生産者価格の推移
資料:ブラジル国家食糧供給公社
 この要因としては、2012/13年度(10月〜翌9月)のトウモロコシの第2期作が過去最高レベルの豊作と見込まれたことから、トウモロコシ価格は下落傾向にあり、それを受けて生産コストも低下したことによるとみられる。今後、鶏肉の生産者価格が平年並みで推移した場合、ブラジル鶏肉の平均輸出価格は下落する可能性がある。

                                      (調査情報部 米元 健太)

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