需給動向 海外

◆中 国◆

豚肉卸売価格は反発、上昇基調へ


豚肉価格の上昇により養豚経営の収益は改善

 中国商務部によると、2013年7月のと畜頭数は1875万頭(前年同月比6.7%増)となり、4月から前年同月を上回る状況が続いている(図14)。しかし、5〜6月にかけて主産地の山東省を中心に豚丹毒などの疾病が発生しており、と畜頭数は5月をピークに減少傾向にある。

図14 豚と畜頭数の推移
資料:中国商務部
  注:年間と畜頭数2万頭以上の企業におけると畜頭数
 一方、豚肉卸売価格は、2013年2月の春節以降、下落基調にあったが、5月を境に上昇に転じ、8月は21.7元(347円:1元=16円、同8.3%高)となった(図15)。春節以降は飼料価格が上昇しているにも関わらず、豚価が前年を下回る水準で下落したため、零細農家を中心に飼養頭数を減じる動きが強まった。その後、中国政府が5月に冷凍豚肉の備蓄を実施したことなどもあり、価格は反発した形となった。
図15 全国豚肉卸売価格の推移
資料:中国商務部
 こうした豚肉価格の上昇により、養豚経営の収益性は改善しつつある。政府が収益性の指標値とする豚/穀物比(1キログラム豚肉(生体)価格/同トウモロコシ卸売価格)は、8月14日時点で6.5となり、政府の目標基準である6を上回った

 7〜8月は中国南部で高温となり、断続的に疾病の発生も確認されていることから、今後、豚肉の市場供給量はさらに不足する可能性もある。さらに、年末には豚肉の需要期を迎えることから、価格の上昇は継続すると見込まれる。

注:損益分岐点は、5.5とされる

冷凍豚肉の輸入は米国が減、EUが急増

 1〜7月の冷凍豚肉の輸入量は、前年同期比11.2パーセント増の23万6988トンとなった(表3)。輸入先国別に見ると、米国が同53.4パーセント減の4万3112トンと大幅に減少した一方、ドイツが同136.2パーセント増の5万4615トンと急増した。また、ドイツ以外にも、デンマーク、ポーランド、フランスなどのEU諸国からの輸入量の伸びが顕著である。

 この背景には、中国国家品質監督検査検疫総局が、2013年3月から輸入申告を行う際に、ラクトパミン残留証明書の提出を義務付けたことがある。この輸入規制によって、ラクトパミンの使用を認めている米国のシェアが低下し、対照的に使用を禁止しているEUが輸出機会を見出し、米国産の輸入減を補った。
表3 冷凍豚肉の国別輸入量
資料:GTI社「Global Trade Atlas」
  注:HSコード020329
                                       (調査情報部 木下 瞬)

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