需給動向 海外

◆世 界◆

世界のトウモロコシ需給は、米国の豊作見通しにより緩和


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が9月12日公表した「Grain :World Market and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量(2013/14年度)は、前年度比11.2パーセント増の9億5667万トンを見込んでいる(表6)。生産国別の状況を見ると、アルゼンチンおよびカナダなどの生産量見通しが前月の予測値から下方修正されたものの、主に米国での単収増により、生産見通しが前月から上方修正されたことで増産見通しとなった。
 なお、USDAでは、2012/13年度のブラジルの生産量見込みを変更しており、ブラジル穀物供給公社(CONAB)が2013年9月に発表した生産量見込みを30万トン下回っている。

 同年度の世界の輸入量については、中国および韓国で増加が見込まれることから、同5.4パーセント増の1億450万トンとしている。

 一方、同輸出量は、豊作が予想される米国やウクライナで、前年実績を大きく上回るとみている。また、同消費量は、主要生産国で増加が見込まれており、同6.7パーセント増の9億2784万トンとしている。

 なお、同期末在庫は、米国が上方修正されたことに加え、ウクライナでも大幅な増加が見込まれることから、同23.5パーセント増の1億5142万トンとしている。

表6 主要国におけるトウモロコシの需給見通し(2013年9月12日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「World Markets and Trade」
  注:年度は、世界各国の穀物年度

ブラジル期末在庫量は、豊作により大幅に増加

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が9月12日公表した「Oilseed :World Market and Trade」によると、世界の大豆生産量(2013/14年度)は、米国、中国およびカナダなどで生産見通しが下方修正されたものの、大豆価格の上昇により増産意欲が高まるとみられるブラジルやアルゼンチンなどで、前年を上回ると見込まれたことから、前年度比5.3パーセント増の2億8166万トンと予測している(表7)。ブラジルでは、大豆価格高により生産者の増産意欲が高まっており、作付面積が対前年比4パーセント増と見込まれる一方、中国は、多雨および北東部の洪水被害により単収の減少が予測されている。

表7 主要国における大豆の需給見通し(2013年9月12日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「World Markets and Trade」
  注:年度は、世界各国の穀物年度

 同年度の世界の輸入量については、米国で大幅な減少が見込まれるものの、中国を含むアジアでの増加が予測されることで、同10.2パーセント増の1億450万トンとしている。

 一方、同輸出量は、アルゼンチンが前年実績を大幅に上回るとみており、同9.8パーセント増の1億729万トンとしている。また、同消費量は、米国およびブラジルで減少が見込まれるものの、メキシコ(同4.1%増)や台湾(同2.0%増)での増加が見込まれており、同4.2パーセント増の2億3824万トンとしている。

 なお、同期末在庫は、南米および中国で前年を大幅に上回ると見込まれることから、同16.2パーセント増の7154万トンとしている。

                                      (調査情報部 山神 尭基)


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