需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

4〜7月の牛乳生産量、前年同期比0.4パーセントの微減


 平成25年7月の牛乳生産量は、26万3295リットルと、前年同月と比べ0.2パーセントの微増となったものの、4〜7月の通期で見ると、前年同期比で0.4パーセント減とわずかに減少した(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。

牛乳はほぼ横ばいも、加工乳・成分調整牛乳は生産量を大きく減らす

 直近12カ月の種類別生産量を見ると、牛乳はほぼ前年同月並みまたは微減で推移しているが、加工乳・成分調整牛乳は、およそ1割前後の減少が続いている(図11)。
図11 牛乳等の生産量の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」
 また、牛乳の1人当たりの年間消費量は、24年度に23.9リットル(前年度比1.0%減)となり、ピーク時の6年度(34.7リットル)から18年間で3割以上、直近10年間でも2割以上の減少となっている(図12)。この背景としては、少子高齢化に加え、他飲料との競合下にあるためと思われる。
図12 牛乳等の1人当たり年間消費量の推移
資料:農林水産省「最近の牛乳乳製品をめぐる情勢について」

消費の中心である若年層人口が減少

 中学生以上を対象に、機構が実施した「平成24年度牛乳・乳製品の消費動向に関する調査」によると、白物牛乳類(注1)の消費量(1日当たりの飲用量)は、学校給食で牛乳を飲む機会が確保されている中学生が200ミリリットルを超え、中学生を除いた男女10代でも、他の年代に比べると多くなっている。しかし、40代を過ぎると、年代が上がるに従って飲用量が減少する傾向にある(図13)。このことから、今後、少子高齢化の進展により、若年層人口が減少することは、白物牛乳類の消費量が減少する大きな要因の1つと考えられる。

注1:飲用牛乳等(牛乳、加工乳・成分調整牛乳)に加え、白物乳飲料を含む。

図13 白物牛乳類の1日当たりの平均飲用量 (2012年)
資料:農畜産業振興機構「平成24年度牛乳・乳製品の消費動向に関する調査」

10月からの小売価格改定による消費動向に注目

 本年7月、2013年度の飲用牛乳向け乳価が、10月出荷分からキログラム当たり5円引き上げられることが決定した。21年3月に同価格が10円引き上げられた際は、牛乳の小売価格が上昇したことで、21年度の牛乳の消費量が前年度より1割弱減少し、小売価格の安い成分調整牛乳の生産量が急増した。牛乳、加工乳・成分調整牛乳、白物乳飲料の3品目の小売価格の動向によって、消費者の需要が左右されるものと考えられることから、今回の小売価格の改定による消費への影響が注目される。

                                      (畜産需給部 岡 久季)


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