需給動向 海外

◆米 国◆

フィードロットの飼養頭数は減少傾向も、導入体重は増加


◇絵でみる需給動向◇


フィードロット飼養頭数は11カ月連続で前年同月を下回る

 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が7月19日に公表した「Cattle on Feed」によると、フィードロット(注)の飼養頭数(2013年7月1日現在)は、前年同月比3.2パーセント減の1036万8000頭となり、2012年9月以降、前年同月を下回って推移している(図1)。2012年夏の干ばつの影響による飼料コストの上昇が、飼養頭数減少の要因として挙げられる。全米で最も飼養頭数が多いテキサス州では、前年同月比4.1%減の256万頭となっている。

注:収容能力1000頭以上規模が対象

図1 フィードロット飼養頭数の推移
資料:USDA/NASS

導入体重800ポンド以上のシェアが上昇

 一方、2013年6月のフィードロット導入頭数は、前年同月比4.6パーセント減の158万7000頭となった。導入牛を体重別に見ると、800ポンド(約363キログラム)以上が、前年同月比26.5パーセント増の62万5000頭、700ポンド(約318キログラム)から799ポンド(約362キログラム)が、同6.4パーセント増の41万5000頭となった。800ポンド以上の牛の導入割合は増加しており、最近の各月の導入シェアを見ると、2013年4月は37.1パーセント、同年5月は39.0パーセント、同年6月は39.4パーセントとなっている(図2)。これら導入牛の体重が増加している理由として、干ばつによる飼料コストの上昇により、フィードロット農家の利幅減少が続いているため、肥育期間を短縮する狙いがあるとみられている。

 USDAでは、フィードロットへの導入牛の体重が増加し、今夏後半から秋にかけ、これらが市場に出荷されてくるため、肥育牛の生産者販売価格や牛肉卸売価格が下降するのではないかとみている。
図2 フィードロット導入体重別の割合の推移
資料:USDA/NASS

メキシコからの生体牛輸入頭数が激減

 また、フィードロットへの導入頭数が減少している要因として、メキシコからの生体牛輸入の減少が挙げられる。米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2013年6月の同国からの生体牛輸入頭数は、前年同月比66.7パーセント減の4万95頭となっている(図3)。2013年の上半期(1〜6月)実績でも、同国からの生体牛輸入頭数は、前年同期比45.2パーセント減の50万2730頭となっている。このうち、フィードロット向けとされる400ポンド(約181キログラム)から700ポンド(約318キログラム)の生体牛は、前年同期比30.2パーセント減の24万7909頭となっている。USDAは、この減少について、メキシコでの牛飼養頭数減少によるものとしている。
図3 メキシコからの生体牛輸入の推移
資料:USDA

                                      (調査情報部 山ア 良人)


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