平成25年上半期(1〜6月)の鶏肉需給は、国内生産量、鶏肉輸入量および鶏肉調製品輸入量が前年同期と比べて減少したものの、過去5年の平均供給量を上回って推移している。
25年上半期の国内生産量は、前年同期比1.3パーセント減の71万6880トンとなったものの、依然として70万トン台の大台で推移し、過去5年の平均を4.9ポイント上回った(図5)。前年同期比で減少した要因は、前年の価格低迷を踏まえ、卸売価格の低下による収益減少を増羽により補う動きから価格回復に向けた減産に動いた可能性が考えられる。
図5 上半期の供給量の推移
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資料:財務省「貿易統計」、農林水産省「食鳥流通統計」、
農畜産業振興機構調べ。
カッコ内の数字は過去5年平均の同期比(増減率)を示す。
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25年上半期の鶏肉輸入量は前年同期比1.6パーセント減の20万7294トンとなったが、過去5年平均を4.6パーセント上回っており、依然として高水準で推移している(財務省「貿易統計」)。同上半期の鶏肉調製品輸入量も、前年同期比1.0パーセント減の20万5186トンとなったが、過去5年平均では19.8パーセント増と大幅な増加となっている。
もも肉価格低迷・むね肉価格上昇傾向、変わらず
国内の鶏肉需要については、比較的堅調となっているものの、それ以上に供給が上回っていることから、もも肉価格は軟調に推移している。平成25年6月の国内生産量は11万9007トン(前月比3.4%減)、国産鶏肉の推定出回り量は11万7565トン(同1.8%減)であったことから、推定期末在庫は3万3310トン(同4.0%増)と、前月よりやや積み増した(図6)。このような状況の中、もも肉はキログラム当たり534円(前年同月比3.7%安)と、6カ月連続で下落した(図7)。一方、加工向けなどで依然引き合いの強いむね肉は、同276円(同55.9%高)と、5カ月連続で上昇した。また、7月の国産鶏肉卸売価格(もも肉1キログラム価格、むね肉1キログラム価格の単純合計:東京)は、2キログラム当たり810円(同10.7%高)となり、2カ月連続(6月は808円)で採算分岐点といわれる800円を超えた。全国的な猛暑による増体率の低下で、生産量が減少するという予想もあり、こうした生産動向が今後の価格にどのように影響するのか注視される
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(畜産需給部 山口 真功)
図6 鶏肉生産量および在庫量の推移
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資料:農林水産省「食鳥流通統計」、農畜産業振興機構調べ
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図7 鶏肉卸売価格の推移 (月別)
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資料:農林水産省「食鳥市況情報」
注:直近月は速報値
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