7月の豚枝肉卸売価格、前年同月比6.8パーセント高
欧州委員会によると、2013年7月の豚枝肉卸売価格は、100キログラム当たり180.39ユーロ(23,811円:1ユーロ=132円)と前月からやや値を上げ、前年同月比6.8パーセント高となった(図5)。
図5 豚枝肉卸売価格の推移 |
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資料:欧州委員会
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価格上昇の要因として、6月以降の北ヨーロッパでの天候回復と、夏期休暇を向える南ヨーロッパで、それぞれ需要が増加してきたこと、また、ロシア向け輸出量の増加が挙げられる。さらに、と畜頭数の減少により供給が引き締まったことで、価格は上昇をみせた。
豚の枝肉卸売価格は、昨年11月以来の高水準にあり、2013年7月は、価格が下落傾向にあった今年の5月から18ユーロ(2,376円)も値を上げる形となった。昨年同月と比べても14ユーロ以上高い値をつけており、今後、需要の伸びによっては、昨年を上回る価格上昇の可能性も見込まれている。
デンマーク、2013年第1四半期の輸出量は減少
デンマーク農業理事会が公表した統計によると、同国の2013年第1四半期の豚肉等輸出量は、前年同期比6.9パーセント減の38万4500トンとなった(表4)。
減少幅が大きかったのは英国向けで、同16.5パーセント減の5万3000トンとなった。内訳をみると、輸出量の多い部分肉が2万5500トン(同13.0%減)、ベーコンが1万9600トン(同19.0%減)と、それぞれ大幅な減少となった。
なお、日本向けも2万8300トン(同9.1%減)と、かなり減少した。日本向け輸出のほとんどを占める部分肉では、同10.0パーセント減少しており、通関手続きが煩雑になった日本向け出荷を嫌った影響とみられている。
表4 輸出先国・製品別豚肉等輸出量(2013年1〜3月、デンマーク) |
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資料:デンマーク農業理事会
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デンマーク、2013年1〜5月の豚と畜頭数は減少
デンマーク農業理事会が公表した統計によると、2013年1〜5月の豚と畜頭数は770万1000頭となり、前年同期比3.8パーセントの減少となった(表5)。
同国の豚と畜頭数は、ここ数年わずかな減少傾向にあるが、今年もその傾向は継続している。一方、その多くが廃用の繁殖母豚とみられる大貫のと畜頭数は、増加(同8.7%増)している。現地関係者によれば、養豚経営は飼料コストの上昇により、収益性の悪化が深刻な状況にあることから、廃業も含めた経営規模の縮小が懸念されている。
表5 豚と畜頭数(デンマーク、1〜5月) |
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資料:デンマーク農業理事会
注 1:肥育豚は生体重50〜110kgの豚
注 2:大貫は生体重110kg以上の豚
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(調査情報部 宅間 淳)
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