需給動向 海外 |
2013/14年度牛肉輸出量、2年連続で過去最高を更新
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肉牛価格は上昇するも、と畜頭数は依然高水準豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、2014年6月の東部地区若齢牛指標(EYCI)価格は、1キログラム当たり334豪セント(前年同月比7.4%高、327円:1豪ドル=98円)と上昇した(図5)。EYCI価格は、3月以降、平年以上の降雨を得ているビクトリア(VIC)州やニューサウスウェールズ(NSW)州南部での肥育もと牛需要の増加などにより、過去5年平均を下回っているものの回復基調にある。また、経産牛や肥育牛価格も同様の推移を見せている。一方、東部5州の6月の1週当たり平均牛と畜頭数は、16万3207頭(前年同月比9.3%増)と依然高水準で推移している(図6)。
2013/14年度牛肉輸出量、米国向けが日本向けに迫る豪州農漁林業省(DAFF)によると、6月の牛肉輸出量はと畜頭数の増加を反映し、10万3257トン(前年同月比17.6%増)となった(図7)。この結果、2013/14年度(7月〜翌6月)は118万4432トン(前年度比16.8%増)と、2年連続で過去最高を更新した(図8)。国別で見ると、6月は米国向けが3万187トン(前年同月比87.5%増)と5カ月連続で日本向け2万4826トン(同2.0%減)を上回った。2013/14年度実績でも米国向けは26万5920トン(同28.7%増)と、首位の日本向け27万9701トン(前年度比6.4%減)との差は、わずか1万トン強にまで迫っている。米国国内での肉牛飼養頭数減少に伴う牛肉の減産などから、豪州産への引き合いは強まり、米国向け加工用牛肉の輸出価格(経産牛、90CL、FAS(注))は堅調に推移して、7月1週目には、1キログラム当たり500.2豪セント(4万9000円)と過去最高値をつけた。こうした状況を受け、米国向けは当面、好調を維持するものとみられている(図9)。 (注)90CL(ケミカルリーン)とは赤身率90%の加工用牛肉バルクパック、FASは豪州の港における船側渡し価格
(調査情報部 伊藤 久美)
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