需給動向 海外

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2014年1〜5月の鶏肉生産は好調、輸出量も増加


2014年1〜5月の鶏肉生産量は各月ともに前年同月を上回る水準

 タイ農業・協同組合省によると、2014年5月の食鳥処理羽数は、前年同月比4.0%増の9619万羽、鶏肉生産量も同4.0%増の13万1778トンと好調に推移しており、1〜5月までの鶏肉生産量の累計は、前年同期比4.1%増の65万1858トンとなった(図19)。

 この増加の要因として、2013年7月に資金繰りの悪化から食鳥処理場を一時閉鎖していた大手インテグレーターが、政府の支援を受けて稼働を再開し、徐々に処理羽数を増やしていることや、地方でのコールドチェーンの発達に伴い、鶏肉需要の6割以上を占める内需が好調なことが挙げられる。

 また、生産量の増加に伴い、今年2月以降、タイ国内の鶏肉小売価格は下落基調で推移している(図20)。

図19 月別鶏肉生産量の推移
資料:タイ農業・協同組合省の公表資料に基づきALIC作成
図20 鶏肉小売価格の推移
資料:タイ国内通商局

2014年1〜5月の鶏肉輸出量は前年同期比からわずかに減少

 2014年1〜5月の鶏肉輸出量は、輸出量の7割以上を占める鶏肉調製品および冷凍加塩鶏肉は減少したものの、冷凍鶏肉(カット品)が増加したことにより、全体では22万5015トン(前年同期比1.5%減)と、わずかな減少にとどまった(図21)。

 品目別の内訳では、冷凍鶏肉(HSコード:020714(カット品))が3万7958トン(同6.3%増)とかなり増加した。国・地域別には、EU向けは、同国が輸出価格(FOB)の下落しているブラジル産の輸入を強めたことで、4498トン(同39.7%減)と大幅に減少した。一方、最大の輸出先であるラオス向けが2万999トン(同14.4%増)、10年ぶりに輸出が再開して順調に需要が伸びている日本向けが8696トン(同皆増)と増加した。(図22)。

 冷凍加塩鶏肉(HSコード:021099)は2万1613トン(同16.2%減)と大幅に減少した。これは、輸出の9割以上を占めるEUが、冷凍鶏肉と同様に安価なブラジル産にシフトしたためである(図23)。

 また、鶏肉調製品(HS:160232)は16万5444トン(同0.9%減)とわずかに減少した。これは、EU向けが7万9889トン(同8.3%増)とかなり増加したものの、日本向けが6万7766トン(同12.7%減)とかなり減少したためである(図24)。日本向けの減少要因として、鶏肉調製品の一部が冷凍鶏肉に置き換わっていることや、タイ産より安価な中国産の輸入が増加していることが挙げられる。

図21 鶏肉輸出量(1−5月期)
資料:GTI社「Global Trade Atlas」
  注:HSコード:020714(冷凍鶏肉カット品)、021099(冷凍加塩鶏肉)、
   160232(鶏肉調製品)を合計した値である。
図22 輸出先別冷凍鶏肉(カット品)輸出量(1−5月期)
資料:GTI社「Global Trade Atlas」
  注:HSコード:020714
図23 輸出先別冷凍加塩鶏肉輸出量(1−5月期)
資料:GTI社「Global Trade Atlas」
  注:HSコード:021099
図24 輸出先別鶏肉調製品輸出量(1−5月期)
資料:GTI社「Global Trade Atlas」
  注:HSコード:160232

(調査情報部 宗政 修平)

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