2014年4月の生産量は前年をわずかに上回る
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が6月18日に公表した「Livestock, Dairy, and Poultry Outlook」によると、2014年4月のブロイラー生産量は、前年をわずかに上回る145万6000トンとなり、3カ月連続で前年実績を上回った(図15)。
図15 ブロイラー生産量の推移
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資料:USDA
注:可食処理ベース
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USDAでは、増加の要因として、1羽当たりの処理体重が同1.4%増となったことで、処理羽数の減少分(同1.2%減)をカバーしたとしている(図16)。1羽当たりの処理体重は、飼料となるトウモロコシ価格が2013年の豊作により大幅に下落したことで、2013年7月以降増加し、2014年もこの傾向が続いている。
図16 ブロイラーの処理羽数と平均処理体重の推移 |
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資料:USDA |
USDAでは、今後も牛肉や豚肉価格と比べ安価な鶏肉の需要は高まり、国内消費量が同1.0%増の約37キログラムに達すると見込んでおり、2014年のブロイラー生産量を同1.1%増の1734万2000トンとしている。
また、現地ファストフードチェーンなどは、鶏肉を使った新商品の宣伝広告を増加させており、これも鶏肉消費量の増加に寄与しているものとみられている。
1〜4月のひなの導入羽数は、前年を上回る
一方、米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)の「Broiler Hatchery」によると、2014年1月〜4月のひな導入羽数は、前年をわずかに上回る27億8697万羽となった(図17)。この増加の背景には、飼料価格、特にトウモロコシ価格の下落による生産者の増羽意欲が高まっていることが挙げられる。
図17 ブロイラーひな導入羽数の推移(1〜4月)
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資料:USDA
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ブロイラーの生産コストは引き続き減少
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が6月27日に公表した「Broiler, turkey, and egg feed costs」によると、2014年4月の1羽当たりの生体重に占める飼料コスト指数(注)は、前年同月比15ポイント減と大幅な減少となった。この減少の要因は、飼料原料の約5割を占めるトウモロコシの価格(同25.0%安)が大幅に下落していることによる(図18)。
(注)飼料コスト指数は、1998年から2000年までの飼料費割合を100%とし、試算した数値。
図18 飼料原料価格の推移 |
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資料:USDA |
(調査情報部 山神 尭基)
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