需給動向 国内 |
農林水産省が平成26年7月1日に公表した「畜産統計」によると、同年2月1日現在の酪農家戸数は、1万8600戸(前年比4.1%減)と、前年から800戸減少した。全国の酪農家戸数は、厳しい経営環境の下、最近10年間で3分の2程度の水準まで減少した。また、乳用牛の飼養頭数も139万5000頭(同2.0%減)と、前年より2万8000頭減少した。 全国的に酪農家戸数、飼養頭数が減少北海道の酪農家戸数は6,900戸(前年比3.2%減)、飼養頭数は79万5400頭(同1.4%減)であった。酪農家戸数の減少率は、都府県の4.6%減よりはゆるやかであるものの、長期的に漸減傾向にある。飼養頭数も平成5年に92万7200頭でピークを迎えて以降、減少傾向で推移しているが、今回初めて80万頭を下回る結果となった。全国を地域別に見ると、全ての地域で酪農家戸数および飼養頭数ともに減少し、中でも北陸、近畿および四国において飼養頭数の減少率が4%台と大きかった。 未経産牛がわずかに増加全国の乳用牛飼養頭数の内訳を見ると、経産牛は89万3400頭(前年比3.2%減)となり、2年連続で減少した。未経産牛は50万1200頭(同0.2%増)とわずかながら3年ぶりに増加した(図4)。今回は未経産牛が増加したが、将来的に飼養頭数の減少に歯止めがかかるかは不透明である。飼養規模拡大傾向は続く全国の1戸当たりの飼養頭数は75.0頭となり、前年より1.6頭増加した。内訳を見ると、北海道は115.3頭(前年から2.1頭増)、都府県は51.2頭(同1.0頭増)と、ともに増加している(図5)。飼料価格の高止まりや、後継者不足などによる中小規模酪農家の離農、メガファームの台頭などを考慮すると、今後も1戸当たりの飼養規模は拡大傾向で推移するものと考えられる。
(畜産需給部 岡 久季)
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