需給動向 国内

◆豚 肉◆

平成26年も1戸当たり飼養頭数は増加、大規模化の傾向は変わらず


 農林水産省が平成26年7月1日に公表した「畜産統計」によると、同年2月1日現在の豚の飼養戸数は、前年から300戸減少して5270戸(前年比5.4%減)となった。飼養戸数を肥育豚の飼養頭数規模別に見ると、1000〜1999頭規模の層において、同2.1%増とわずかに増加したものの、それ以外の全ての層で減少しており、中でも300頭未満の小規模層は、200戸減の1260戸(同13.7%減)と、かなり大きく減少した。この背景には、依然として深刻な後継者不足や飼料価格の高止まりなどによる経営状況の悪化があるものと思われる。

 また、総飼養頭数は953万7000頭(同1.5%減)と、前年からわずかに減少した。そのうち子取り用めす豚の飼養頭数も、1万4400頭減少して88万5300頭(同1.6%減)となった。飼養頭数を肥育豚の飼養頭数規模別に見ると、飼養戸数と同様、1000〜1999頭規模の層において同2.0%とわずかに増加したが、それ以外の全ての層で減少となった。特に300頭未満の小規模層において、同14.5%減と、かなり大きい減少割合となった。規模別の飼養頭数割合は、2000頭以上規模の層において70.7%を占め、前年から0.4ポイント増加していることから、わずかではあるが大規模生産者の割合が伸びていることが分かる。

 上記の飼養戸数および飼養頭数に基づき算出した1戸当たり飼養頭数は、前年から70.9頭増加して1809.7頭となった。小規模生産者を中心に廃業が進み、飼養戸数が減少したことに加え、総飼養頭数も減少傾向で推移しているものの、同時に生産者の大規模化が進行するという、最近の傾向は継続している(図2、表3)。
図2 豚の飼養戸数・飼養頭数の推移

資料:農林水産省「畜産統計」
注1:数値は各年2月1日現在
  2:平成22年は世界農林業センサス実施年のためデータがない。
表3 豚の飼養頭数規模別飼養戸数・頭数
資料:農林水産省「畜産統計」
注1:数値は各年2月1日現在
注2:規模別戸数および規模別頭数には非営利的組織を含まないため、各内訳の合計と全国飼養
    戸数および全国飼養頭数は一致しない

飼養戸数は全ての地域で減少、飼養頭数は北海道、近畿で増加

 全国農業地域別に見ると、飼養戸数は全ての地域において前年から減少した。そのうち北陸および四国においては、10%を超える減少となった。一方、飼養頭数は、北海道および近畿において、前年からわずかに増加したものの、その他の地域ではいずれも減少した(表4)。

 都道府県別に見ると、前年の飼養頭数上位3県である鹿児島県、宮崎県および千葉県の順位に変化はないものの、前年4位の群馬県と5位の北海道が入れ替わっている。どちらの道県においても飼養戸数は減少し、逆に飼養頭数は増加したが、より頭数の増加が顕著であった北海道の飼養頭数が、群馬県を上回る結果となった。

 なお、全国に占める各農業地域別の飼養頭数割合は、関東・東山および九州で全国の約6割を占めており、この傾向に変化はない。
表4 豚の全国農業地域別飼養戸数・頭数
資料:農林水産省「畜産統計」
  注:数値は各年2月1日現在

(畜産需給部 三田 修司)

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