需給動向 海外

◆世 界◆

2014年のトウモロコシ生産量は米国やEUがけん引


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が11月10日公表した「Grain:World Markets and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量(2014/15年度)は、前年度をわずかに上回る9億9032万トン(前年度比0.1%増)と見込まれている(表5)。中国の北部および北東部、ウクライナが干ばつにより減産となったものの、好天に恵まれた米国やEUなどで増産となったことから、高い水準を維持している。

 世界の輸入量は、中国が在庫量を多く抱えている上に、トウモロコシの代替として飼料原料用の大麦やソルガムの輸入を増していることやEUでの増産が見込まれることから、1億1504万トン(同11.2%減)としている。一方、輸出量は、主要輸入国からの需要の減少により、輸入量同様に1億1504万トン(同11.2%減)としている。

 また、消費量は、米国や中国などの主要消費国で増加するとの見込みから、9億7181万トン(同1.9%増)としている。なお、期末在庫は、米国の大幅な増加見込みから、1億9150万トン(同10.7%増)と、前月の予測からさらに積み増している。

表5 主要国のトウモロコシ需給見通し(2014年11月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Grain: World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜 翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月

米国の大豆の生産量は前月予測値から上方修正

 USDA/FASが11月10日公表した「Oilseeds:World Markets and Trade」によると、世界の大豆生産量(2014/15年度)は、トウモロコシへの転作により中国で減少が見込まれるものの、主要生産国である米国や南米での増加見通しにより、前月の予測値から上方修正され、3億1206万トン(前年度比9.5%増)としている(表6)。

 輸出量は、米国の10月後半の輸出が好調であったことから前月の予測値が上方修正され、1億1554万トン(同2.5%増)としている。一方、輸入量は、中国で堅調な増加が見込まれることから、1億1272万トン(同2.2%増)としている。

 また、消費量は、主要消費国である中国での増加や、米国において輸出が堅調な大豆かすの原料としての消費増加が見込まれることから、2億5192万トン(同5.2%増)としている。なお、期末在庫は、米国や南米で前年から大幅に積み増されると見込まれることから、9028万トン(同35.0%増)としている。

表6 主要国の大豆需給見通し(2014年11月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Oilseeds: World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
   アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月
(調査情報部 渡邊 陽介)

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