需給動向 国内 |
平成26年9月の生乳生産量は58万3464トン(前年同月比1.6%減)と、16カ月連続で前年同月を下回った(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。 この結果、平成26年度上半期(4月〜9月)の生乳生産量は369万7423トン(前年同期比2.5%減)と、わずかに減少した(図7)。
上半期の生乳生産量は、北海道は1.9%減、都府県は3.1%減 上半期の生乳生産量を地域別に見ると、北海道は193万1千トン(前年同期比1.9%減)、都府県は176万6千トン(同3.1%減)となった。この要因としては、酪農家の離農による乳牛飼養頭数の減少などが挙げられる。 北海道は、8月、9月ともに前年同月比0.4%減と、減少幅が小さくなる傾向にあるが、都府県は1年以上にわたり2〜3%台の減少幅で推移している。 過去10年間の北海道と都府県の生乳生産量のシェアの推移を見ると、16年度は46:54で都府県が過半を占めていたが、22年度に北海道が逆転し、26年度上半期は52:48となった。酪農家の離農傾向は、都府県がより強いことから、今後も北海道のシェアが拡大すると見込まれる(図8)。
クリーム等向けの処理量は増加 上半期の用途別生乳処理量は、長期的に減少傾向が続いている牛乳等向けが200万2279トン(同2.3%減)、乳製品向けが166万5260トン(同2.9%減)となった。 乳製品向けの内訳をみると、クリーム等向けが66万3802トン(同3.4%増)と増加、チーズ向けは25万1004トン(同0.2%増)と前年同期並み、脱脂粉乳・バター等向けが74万855トン(同8.8%減)と減少した。 なお、過去10年間の生乳処理量の用途別シェアの推移を見ると、飲用牛乳の需要減少とチーズやクリームの需要増加により、牛乳等向けと乳製品向け処理量の割合は、16年度には59:41であったが、25年度には53:47と、牛乳等向けが縮小、乳製品向けが拡大傾向で推移している(図9)。 しかし、26年度上半期については、生乳生産量の減少により乳製品向け処理量の減少幅が大きくなったことから、同割合は54:46となった。
下半期の生乳生産量は、引き続き減少の見通し 一般社団法人Jミルクが10月22日に公表した「平成26年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと当面する課題について」によれば、12月〜翌1月頃に全国的に分娩予定頭数が前年並みへと回復することから、下半期(10月〜翌3月)の生乳生産量は、362万3千トン(同0.9%減)と予測されている。地域別では、北海道が187万3千トン(同0.3%減)とほぼ前年同期並み、都府県は175万トン(同1.4%減)となっている(図7)。 (畜産需給部 岡 久季)
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