需給動向 海外

◆世 界◆

米国の生産量を下方修正するも中国で豊作見通し


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が1月10日公表した「Grain :World Market and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量(2013/14年度)は、前年度比12.0パーセント増の9億6692万トンを見込んでいる(表11)。生産国別の状況を見ると、米国およびアルゼンチンの生産見通しが前月の予測値から下方修正された。

表11 主要国のトウモロコシの需給見通し(2014年1月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Grain : World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月
 一方、世界第2位のトウモロコシ生産国である中国は、前月の予測値を600万トン上回る増産が見込まれている。なお、アルゼンチンの生産見通しが下方修正された要因は、作付け面積の減少および12月の高温乾燥状態による単収の減少が見込まれたためである。他方、中国の生産見通しが上方修正された要因は、中国北部の作付け面積の増加および単収の増加が挙げられる。中国では、トウモロコシ栽培が綿花や大豆に対して収益が高いことから、農家の作付意欲が年々、高まっている。

 同年度の世界の輸入量については、豊作が見込まれる中国で前月の予測値が下方修正されたものの、東南アジアや北米自由貿易協定(NFTA)加盟国であるメキシコで増加が見込まれることから、同9.3パーセント増の1億938万トンとしている。

 一方、同輸出量は、アルゼンチンが前月から下方修正されたものの、主に米国およびウクライナは前年を上回るとしている。また、同消費量は、世界的なトウモロコシの豊作により、主要生産国や欧州などでの増加が見込まれている。なお、日本については、前年比6.9パーセント増の1550万トンと予測している。

 同期末在庫は、米国およびブラジルが前月から下方修正された一方、中国が上方修正されたことから、同20.5パーセント増の1億6023万トンとしている。

大豆は世界的な増産により需要は増加見通し

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が1月10日公表した「Oilseed :World Market and Trade」によると、世界の大豆生産量(2013/14年度)は、単収増が見込まれる米国およびブラジルなどの生産見通しが上方修正されたことから、前年度比6.2パーセント増の2億8683万トンと予測している(表12)。なお、ブラジルでは、大豆の収益性が他の作物よりも高いことから大豆の作付が増加した。USDAでは、同国での大豆作付の多くが12月末で終了したとしている。

 同年度の世界の輸入量については、減産が見込まれる中国やメキシコなどでも需要の増加が見込まれることから、同10.4パーセント増の1億520万トンとしている。

 一方、同輸出量は、増産が見込まれる米国、ブラジルおよびアルゼンチンで前年を大幅に上回るとされており、同8.9パーセント増の1億932万トンとしている。また、同消費量は、中国などで搾油向け需要の増加が見込まれることから、同5.0パーセント増の2億4036万トンとしている。

 なお、同期末在庫は、主要生産国で前年を大きく上回ると見込まれることから、同16.6パーセント増の7234万トンとしている。
表12 主要国の大豆の需給見通し(2014年1月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Oilseeds : World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 米国、ウクライナ:9月〜翌8月/世界、中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月

                                      (調査情報部 山神 尭基)


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