需給動向 海外

◆米 国◆

飼料価格の下落により、鶏肉生産量を拡大


2013年、14年ともに生産量は前年を上回る見通し

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が11月15日に公表した「Livestock, Dairy, and Poultry Outlook」によると、2013年のブロイラー生産量は、前年比2.0パーセント増の1714万2000トンになると見込んでいる。また、2014年は、同2.9パーセント増の1764万5000トンと見込んでいる(図14)。

図14 ブロイラー生産量予測

資料:USDA
  注:2013、2014年予測値
 現在、ブロイラーの生産者は、2013年のトウモロコシや大豆の豊作により、飼料価格が下落したことや、国内経済の成長を期待して生産を拡大している。また、2014年は牛肉生産量の減少により、牛肉価格の高騰が予測されるため、鶏肉へ需要がよりシフトし、消費が伸びると見込んでいる。

生産増は、食鳥処理羽数、平均食鳥処理体重の増加が要因

 ブロイラーの生産量が増加している要因は、食鳥処理羽数と平均食鳥処理体重の増加が挙げられる。米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が11月25日に公表した「Poultry Slaughter」によると、2013年10月のブロイラーの処理羽数(若鶏)は、前年同月比3.0パーセント増の76万8000羽となった。また、ブロイラーの平均処理体重(若鶏)を見ても、同0.8パーセント増の2.72キログラムとなり、平均処理体重では初めて6ポンド(2.7キログラム)を超えたことになる(図15)。
図15 食鳥処理羽数と平均食鳥処理体重の推移
資料:USDA

生産拡大意欲が現れたひなの導入羽数

 さらに、ブロイラーの生産量が増加している傾向として、ブロイラー向けひなの導入羽数が増加していることも挙げられる。USDA/NASSが毎週公表しているBroiler Hatcheryによると、2013年11月のひな導入羽数(主要19州)は、前年同期比2.1パーセント増の7億8279万羽となった(図16)。8月以降を見ても、前年を上回って推移しており、2014年の生産を拡大する意欲がうかがえる結果となっている。
図16 ブロイラーひな導入羽数の推移
資料:USDA
  注:主要19州の合計

                                      (調査情報部 山ア 良人)



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