需給動向 海外

◆世 界◆

世界のトウモロコシ生産見通しを上方修正


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が12月10日公表した「Grain :World Market and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量(2013/14年度)は、前年度比11.8パーセント増の9億6428万トンを見込んでいる(表7)。生産国別の状況を見ると、ウクライナを除く主要生産国の生産見通しが前月の予測値に据え置かれたものの、ウクライナで前月の予測値を上回る増産が見込まれており、前年を大幅に上回るとしている。なお、ウクライナの生産見通しが上方修正された要因として、収穫面積および単収見込みの増加を挙げており、単収に関しては前年比30パーセント増の1ヘクタール当たり6.25トンとしている。

 同年度の世界の輸入量については、主に米国で前月の予測値が上方修正されたことから、同10.6パーセント増の1億1073万トンとしている。

 一方、同輸出量は、米国産トウモロコシ需要の回復が見込まれ、加えて増産見通しであるウクライナでも前年を上回るとみている。また、同消費量は、世界的なトウモロコシの豊作により、米国や中国などの大消費国に加え、中東などでも需要の増加が見込まれている。

 なお、同期末在庫は、米国が下方修正された一方、ウクライナが上方修正されたことから、同20.5パーセント増の1億6246万トンとしている。

表7 主要国のトウモロコシの需給見通し(2013年12月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Grain : World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月

大豆は世界的な増産により需要は増加見通し

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が12月10日公表した「Oilseed :World Market and Trade」によると、世界の大豆生産量(2013/14年度)は、主にアルゼンチンの生産見通しが上方修正されたことから、前年度比6.3パーセント増の2億8494万トンと予測している(表8)。なお、カナダについても大豆生産見通しを上方修正しており、同2.2パーセント増の520万トンとしている。
表8 主要国の大豆の需給見通し(2013年12月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Oilseeds : World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 米国、ウクライナ:9月〜翌8月/世界、中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月

 同年度の世界の輸入量については、主に中国で増加するとみられ、加えて、アジアおよび欧州でも需要の増加が見込まれることから同10.4パーセント増の1億512万トンとしている。なお、日本の輸入量は286万トンとしており、前年をわずかに下回ると予測している。

 一方、同輸出量は、主に増産が見込まれる米国およびアルゼンチンで前年を大幅に上回るとされており、同8.9パーセント増の1億877万トンとしている。また、同消費量は、大豆価格下落により主要生産国で増加が見込まれており、同5.0パーセント増の2億4047万トンとしている。

 なお、同期末在庫は、南米および中国で前年を大きく上回ると見込まれることから、同17.3パーセント増の7062万トンとしている。

                                      (調査情報部 山神 尭基)


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