需給動向 国内

◆牛 肉◆

輸入品仲間相場、依然として高水準続く


 平成26年4月の牛肉需給は、生産量3万388トン(前年同月比2.4%減)、輸入量4万5768トン(同0.1%増)、推定出回り量7万6591トン(同2.7%減)となり、推定期末在庫は10万6639トン(同27.6%増)と、前月より537トン取り崩した(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

 輸入量について見てみると、冷蔵品は1万9403トン(同6.9%減)と、前年をかなりの程度下回った一方、冷凍品は2万6296トン(同5.9%増)と、前年をやや上回った。国別に見ると、米国産は、昨年2月の月齢制限緩和に伴う輸入量増加の反動で冷蔵品において前年を大幅に下回ったことから、牛肉全体では前年をかなりの程度下回る1万4261トン(同9.0%減)となった。一方、最大のシェアを占める豪州産は、冷蔵品、冷凍品ともに前年を上回ったことから、全体では2万7370トン(同13.9%増)と、前年をかなり大きく上回った。なお、現地相場高や他国との競合により、米国、豪州ともに、輸入業者にとっては依然として厳しい買い付け環境が続いている。

米国産ショートプレートも上昇基調に

 輸入品の仲間相場は、平成24年秋以降、米国産、豪州産ともに、現地相場高や為替の円安傾向などにより、高止まりあるいは上昇傾向で推移してきた。25年の年末を過ぎれば、相場は弱含むとの声もあったが、4月まで総じて上昇傾向が継続している(図1、2)。

 外食店などで使用される米国産ショートプレートの仲間相場は、他の主要部位が軒並み上昇していた中で、25年の年末までは横ばいで推移していた。この背景として、月齢制限緩和後に、実需以上に輸入されたことで、在庫水準が比較的高かったためであるとみられる。しかし、年明け以降、相場が上昇し始め、4月は1キログラム当たり727円(前年同月比25.0%高)となった。米国産ショートプレートと代替性を有する豪州産ナーベルエンドブリスケットも、同753円(同15.8%高)と、ショートプレートの相場上昇に引っ張られる形で一段高となったとみられる。

 また、テーブルミートとしても業務用としても汎用性の高い冷蔵品の米国産チャックアイロールおよび豪州産チャックロールは、依然として上昇傾向で推移しており、4月はそれぞれ同1121円(同24.2%高)、同823円(同3.7%高)と、過去3年間で最も高い水準となった。

 米国産ショートリブも、現地相場高などを受けて昨年6月以降、直線的に上昇しており、4月の仲間相場は同2810円(同19.3%高)と、前年同月と比較して450円以上も高い値を付けた。

 主に加工用の挽き材などで使用される豪州産トリミングは、昨年春以降、ほぼ横ばいで推移してきたものの、直近では緩やかな上昇基調にある。これは、米国内での需要の高まりから、豪州から米国への輸出量が増加しており、日本向け輸出量が減少傾向であることが背景にあると推測される。


図1 米国産牛肉の仲間相場の推移
資料:農畜産業振興機構調べ
  注:価格は消費税を含まない。
図2 豪州産牛肉の仲間相場の推移
資料:農畜産業振興機構調べ
  注:価格は消費税を含まない。
(畜産需給部 山口 真功)

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