需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

平成25年度のチーズ消費量、前年度比2.0%減


 農林水産省が発表した「平成25年度チーズ需給表」によると、チーズの消費量は、29万5333トン(前年度比2.0%減)と5年ぶりの減少となった。消費量の内訳を見ると、直接消費用ナチュラルチーズが17万4818トン(同3.6%減)と5年ぶりに減少した一方、プロセスチーズは12万515トン(同0.3%増)と2年ぶりに増加した(表1)。

国際相場の上昇と円安による輸入量減

 消費量の減少は、欧州における乳製品の在庫不足やニュージーランドの干ばつなどによって、チーズの国際相場が上昇したことや、円安の影響により、国内の需要者が輸入品の使用を手控えたことが背景にある。

表1 チーズの国内生産量および輸入数量(平成25年度)
資料:農林水産省「平成25年度チーズの需給表」
 その結果、25年度の輸入ナチュラルチーズの総量は22万734トン(同3.5%減)と5年ぶりに減少に転じた。特に、直接消費用は15万1901トン(同5.0%減)とプロセスチーズ原料用と比べ減少幅が大きかった(図7)。

国産品の生産量は増加

 一方、25年度の国産ナチュラルチーズの生産量は、4万8534トン(同4.3%増)と2年連続で増加し、過去最高となった。このうち、直接消費用のものは2万2917トン(同6.8%増)とかなりの程度増加し、プロセスチーズ原料用も2万5617トン(同2.2%増)とわずかに増加した。この結果、チーズの総消費量に対する国産品の割合(ナチュラルチーズベース)は、前年度の16.4%から17.5%と5年ぶりに増加した(図8)。

チーズ向け生乳が加工原料乳に追加

 26年度より、チーズ向け生乳が加工原料乳生産者補給金制度の交付対象に含まれることとなった。この制度変更は、国内のチーズ需要が堅調に推移する中で国産チーズの生産拡大を図るものであり、加工原料乳地域の生乳の再生産の確保と全国の酪農経営の安定化が期待される。

図7 ナチュラルチーズの輸入量と輸入価格の推移
資料:農林水産省「平成25年度チーズの需給表」
    財務省「貿易統計」
図8 国内チーズ生産量と国産比率の推移
資料:農林水産省「平成25年度チーズの需給表」
(畜産需給部 岡 久季)


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