2014年1〜4月の生産量は前年をわずかに下回る
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が5月22日に公表した「Livestock Slaughter」によると、2014年1〜4月までの豚肉生産量は前年同期比0.3%減の349万トンとなった(図10)。USDAは、豚流行性下痢(PED)の影響を受け肥育豚のと畜頭数が減少したことを生産減の要因としている。
USDAは、2月時点では2014年の予測値を前年を2.0%上回るとしていたものの、5月時点では同2.3%下回ると下方修正している。
同年1〜4月の総と畜頭数は、前年同期比3.3%減の3599万頭となった。特に繁殖雌豚は同6.2%減の92万9000頭となり、2014年2月以降減少している。これは、生産者が子豚頭数を確保するため、繁殖雌豚をできるだけ長く保留したい意向が働いているためとみられる。
図10 豚肉生産量の推移(1〜3月) |
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資料:USDA
注:枝肉重量ベース |
2014年3月の豚肉輸出量は大幅に増加
豚肉輸出量を見ると、2014年3月は前年同月比21.7%増の21万9000トンと大幅な増加となった。また、2014年1〜3月では前年同期比10.4%増とかなりの程度増加した(図11)。輸出先を国別に見ると、1位のメキシコ(15万5000トン(同28.6%増))、2位の日本(14万9000トン(同4.0%減))、3位の中国(香港含む)(9万2000トン(同44.2%増))となり、4位のカナダ(5万6500トン(同13.4%減))および台湾(3600トン、(同24.0%減))は減少が目立った。USDAでは、今後は、生産減を反映して減少傾向で推移し、2014年通年の輸出量は前年比2.0%減と見込んでいる。
図11 豚肉輸出量の推移(1〜3月) |
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資料:USDA |
在庫量はかなりの程度減少
USDA/NASSが5月22日に公表した「Cold Storage」によると、2014年4月末の豚肉在庫量は前年同月比11.2%減の26万1000トンとなった。部位別の在庫量を見ると、高級部位のロインは同2.1%増となったものの、輸出向けのもも肉が同35.6%減、加工向けのピクニック(骨なし)は同48.7%減と大幅な減少が目立っている。
今後、生産量が減少する中で、豚肉在庫量は夏場の需要期に向けてさらに低下するものとみられている。
(調査情報部 山神 尭基)
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