畜産の情報−豪州の牛肉の需給動向 肉牛価格は大幅に上昇、牛肉輸出も引き続き好調− 2014年6月
需給動向 海外

◆豪 州◆

肉牛価格は大幅に上昇、牛肉輸出も引き続き好調


肉牛価格、大幅に上昇

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、肉牛取引の指標となる東部地区若齢牛指標(EYCI)価格は、2014年3月後半頃から上昇を続け、4月末時点では1キログラム当たり355豪セント(前年同期比16.7%高、344円:1豪ドル=97円)となった(図4)。ニューサウスウェールズ州やビクトリア州など南部で3月以降、降雨により放牧環境が改善し、もと牛需要が高まっていることや、海外市場からの牛肉および生体牛への堅調な需要が、肉牛生体取引価格の上昇につながったとみられている。

 豪州では、長引く干ばつによって、クイーンズランド州を中心に、既に多くの肉牛が淘汰されている。しかし、最近の気象条件の改善により、今後は多くの肉牛農家が牛群の再構築に向かうとされている。このため、今後は、肉牛の出荷頭数が減少するとの見方が多く、生体取引価格は今後も堅調に推移するとみられている。

図4 家畜市場におけるEYCI価格の推移
資料:MLA
注1:枝肉重量ベース
注2:年度は7月〜翌6月
注3:EYCI価格は東部3州(QLD州、NSW州、VIC州)の主要家畜市場の若齢牛の加重平均取引価格。家畜市場の指標価格となっており、肥育牛や経産牛の家畜市場価格などとも9割近い相関関係にある。

4月の牛肉輸出量、引き続き好調

 豪州農漁林業省(DAFF)によると、2014年4月の牛肉輸出量は9万7477トン(前年同月比14.2%増)となった(表1)。主要輸出先では、米国向けが2万4982トン(同41.0%増)、中国向けが1万3859トン(同18.9%増)、韓国向けが1万2065トン(同25.6%増)といずれも大幅に増加し、4月の輸出量の増加をけん引した。また、インドネシア向けは、国産牛の減少により同国内の牛肉供給がひっ迫し、4529トン(同61.8%増)、牛海綿状脳症(BSE)発生を理由に2013年以降ブラジルからの輸入を停止しているサウジアラビア向けが4082トン(同34.7%増)と、大幅に増加している。
表1 2014年4月の国別牛肉輸出量
                                              (単位:トン)
資料:DAFF
 注:船積重量ベース
 こうした中、2004年4月以降、一部の月を除きほぼ一貫して最大の輸出先であった日本向けは、2万747トン(同10.2%減)と減少しており、3カ月連続で米国に首位を明け渡した(表2)。日本向けの内訳では、冷凍グラスフェッド(牧草肥育)が8339トン(同21.9%減)と減少が目立っている。これは、冷凍グラスフェッドの過半を占める加工用の輸出が、他国向けとの競合により減少したことが要因とされている。一方、冷蔵グレインフェッド(穀物肥育)は6941トン(同12.2%増)と、唯一増加した。これは、日本国内で競合する米国産牛肉が高値で推移し、豪州産への引き合いが増しているためとみられている。
表2 2014年4月の日本向け輸出量の内訳
                                             (単位:トン)
資料:MLA
 注:船積重量ベース
(調査情報部 伊藤 久美)


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