2013年の飼養頭数は微増の一方、と畜頭数はやや減小
ウルグアイ牛肉協会(INAC)によると、2013年の牛飼養頭数は前年比1.1%増の1153万6000頭と、2年連続増加した(図9)。牧草肥育が主流である同国では、2008〜2009年にかけて深刻な干ばつが発生し、繁殖牛も含め早期淘汰が進んだ結果、飼養頭数が減少した。その後、2008〜2011年にかけては、輸出拡大に注力した結果、飼養頭数の減少に拍車をかける結果となった。しかし、2011年以降は、干ばつの影響から回復したことで、繁殖雌牛を中心に徐々に頭数が増加し、生産力の回復が図られている状況にある。
一方、2013年の牛と畜頭数は、前年比4.6%減の198万2441頭となり、過去10年間で最低となった(図10)。このうち、去勢牛は、前年比0.9%減の106万9339頭となった。牛と畜頭数は、2012年に増加に転じたが、2013年は天候に恵まれ牧草の状態が良く、牛を保留する生産者が多かったことで最低水準となったものとみられる。
図9 牛飼養頭数の推移 |
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資料:INAC
注:各年6月30日時点 |
図10 牛と畜頭数の推移 |
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資料:INAC |
2013年の1人当たり消費量は微減、輸出は前年比6.2%減
2013年の1人当たりの牛肉の年間消費量は、前年比0.6%減の59.4キログラムとなった。同国では、2008〜2009年の干ばつに伴う飼養頭数の減少により、2010年以降牛肉生産が落ち込んだことから、牛肉価格が比較的高値で推移した。このため、近年、消費量は60キログラム前後で停滞している。一方、牛肉に代わって割安な豚肉や鶏肉の消費量が増加している状況にある。
同国では、牛肉生産量のうち約7割が輸出に仕向けられているが、2013年はと畜頭数が減少したことを受け、牛肉輸出量は前年比6.9%減の33万9866トンとなった。輸出先別では、中国向けが前年比217.7%増の9万1829トンと大幅に増加し、2012年まで5年間最大の輸出相手先だったロシアを抜いた(図11)。
2014年の輸出は40万トン超の見込み
米国農務省は、2014年のウルグアイの牛飼養頭数について、同国の飼料穀物生産が好調であることを受け、前年比2.3%増の1180万頭程度を見込んでいる。これは、干ばつによって飼養頭数が減少する前の水準に相当する。また、飼養頭数の増加に伴い、と畜頭数は同20.2%増の238万頭、牛肉輸出量(加工品も含む)は40万トンを超えると予測している。
図11 国別牛肉輸出量の推移
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資料:INAC
注1:HSコード:0201,0202
注2:加工品を除く
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(調査情報部 米元 健太) |