需給動向 海外

◆米 国◆

生産減、輸出増により、牛肉価格が高騰


牛肉卸売価格は最高値を更新

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2014年3月の牛肉卸売価格(チョイス級、600〜900ポンドのカットアウトバリュー(注))は、前年同月比16.6%高の100ポンド(約45.36キログラム)当たり226.00ドル(2万3500円:1米ドル=104円、1キログラム当たり約518円)と史上最高値を更新した。価格上昇の要因として、飼養頭数の減少に伴う牛肉の減産に加え、国内外からの強い需要が挙げられており、牛肉卸売価格は2014年1月以降前年同月をかなり大きく上回って推移している(図1)。

(注) カットアウトバリューとは、各部分肉の卸売価格などを1頭分の枝肉に再構成した卸売指標価格。枝肉の卸売価格ではない。

図1 牛肉卸売価格の推移
資料:USDA
 注:チョイス級、600〜900ポンドのカットアウトバリュー。

と畜頭数は減少傾向で推移

 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が4月24日に公表した「Livestock Slaughter」によると、2014年3月の肉牛のと畜頭数は、前年同月比5.2%減の241万2500頭となった(図2)。と畜頭数の減少要因としては、2011、2012年の干ばつにより繁殖雌牛のと畜が進んだことなどから、飼養頭数が減少したことが挙げられる。現在、牛群再構築のため繁殖雌牛(肉用および乳用)は積極的に保留されており、同月の肉用繁殖雌牛のと畜頭数は同10.2%減の22万頭とかなりの程度減少している。
図2 月別と畜頭数の推移
資料:USDA
 注:連邦食肉検査済み数量。

減産の中、輸出量は増加

 このように、牛肉生産量が減少している中、輸出量は前年を上回って推移している。USDA/ERSによると、2014年3月の牛肉輸出量は前年同月比5.2%増の9万トンと、2013年5月以降11カ月連続で前年同月を上回って推移している(図3)。

 輸出量を国別に見ると、総輸出量の約23%を占めた日本向けは、前年同月比14.5%減の2万トンと大幅に減少した。なお、日本向けは、2014年1〜3月で見ると、2013年2月に月齢条件が変更(生後20カ月以下から30カ月齢以下に引き上げ)されたため、前年同期比16.2%増となっている。次いでメキシコ向けが前年同月比86.8%増の1万7600トンとなった。これは、同国での干ばつにより肉用牛飼養頭数が減少し、牛肉供給量がひっ迫化していることによる。3位は香港向けで、同89.8%増の1万5700トンと大幅に増加している。同国も日本と同様、月齢の変更が増加の要因となっている。そのほか、韓国(同13.2%増)、台湾(同1.3%増)がともに増加しているなど、引き続きアジアでの需要が堅調となっている。

図3 国別月別牛肉輸出量の推移
資料:USDA
 注:数量は枝肉重量ベースのもの。
(調査情報部 山ア 良人)


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